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家族の思いと患者さん本人の思い
子供と離れて暮らす一人暮らしの高齢者の場合、在宅ケアを受ける時には、患者さんの入退院の権限を持っている家族の理解が必要です。
ある94歳の男性の患者さんの場合、多発性脳梗塞と前立腺がんを発症しており、家族である息子さんが医師だったこともあって、大病院で抗がん剤による治療を選択されたのですが、入院中に認知症が出てきて退院しなければならない状態になり在宅ケアを受けるようになりました。
在宅ケアではボランティアによる
アロマテラピー
をした所、とても「気持ち良い」と喜んでもらえて、さらに
がケアに加わることによって「よちよち歩き」程にまで元気を取り戻し認知症もほとんどなくなってしまいました。
退院後の夜間のトイレは、息子のお嫁さんが仕事を休み夜中の3時にトイレの介助をするという状態でしたが、患者さんが元気になりお嫁さんも介護をしながら仕事に復帰するという段階になった時に、医師である息子さんは介護の負担が増すことから、患者さんを入院させると希望されました。
しかし、退院して元気になってニコニコしている患者さんを再入院させれば認知症が悪くなる事がわかっていましたので、夜間の尿の対策として
尿道留置カテーテル
を提案しましたが、医師である息子さんは自身でも尿道留置カテーテルを使うのには抵抗があり、親にもそのような思いはさせたくないと押し切り入院させてしまいました。
そして一ヶ月後にその患者さんはなくなりました。
入院中はただひたすら
と言い続けられていたそうです。
患者さんが一番喜ぶ医療や生活環境と、家族が望む事が違ってくるとこのような不幸な事態になることもあります。
普段から話し合っておきましょう
離れて暮らす高齢の親がいる時には
普段から意思の疎通
がとても大切で、認知症や介護状態になった時の事をあらかじめ話し合っておく必要があります。
死ぬことはタブー視されがちですが、必ず誰にでも訪れますので自然の事として受け入れる考えをもっておく必要があります。
延命治療は要らない
在宅ケアを受けている時に病状が急変して救急搬送された場合などには、あらかじめ本人が希望していた
延命治療は受けない
という意志は尊重されず、ただひたすら救命措置を受ける事になります。
しかし在宅ホスピスでケアを受けている末期ガンの患者さんに、辛い救命措置を施しても助かる可能性は少なく
穏やかな最期
を希望していた患者さんの願いは完全に絶たれてしまいます。
このような事態にならないためにはあらかじめ
という事を紙に書いて壁に貼っておき、ケアする人に知っておいてもらう事が大切です。
普段から延命治療は望まない事をケアする人に言っておいても、患者さんの呼吸が止まるとパニックになって救急車を呼ぶ人もいますので
紙に書いて貼っておく
事がとても大切なのです。
しかし、救急車を呼んで治療が必要な場合もありますので、訪問看護師に連絡をとって判断を仰ぐことも必要です。
親の死に目に立ち会う
一人暮らしの在宅ホスピスを受けていると、最期の時に家族が立ち会えない事もありますが、最も大切なのは周囲の人に
ありがとうと伝えられる
時間を過ごせるかどうかにあります。
患者さんの最期に立ち会う事にこだわると、とても時間とエネルギーがかかり現実的には困難です。
それよりも、生きている間に有意義な時を持ち、家族と患者さんが穏やかな時間を過ごすことこそが、より良い最期の過ごし方だと思います。
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