05 肝臓病教室の取組み
肝臓病教室の取組み
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肝臓病教室とは
肝臓の病気には、慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんなど進行性の病気が多く、病気について患者の側でも知っておかなければならないことがあります。
慢性肝炎でのインターフェロン治療や、肝臓がんのラジオ波治療など新しい治療法が出てきた時には、どのような治療法をどのように使っていくか、医師と患者で情報を共有する必要があります。
個別の患者に肝臓の最新治療をその都度説明していては、とても時間が足りません。
しかし、肝臓病教室という形で一度に多くの人と情報を共有できれば新しい治療に際しても、医師と患者は共通の認識を持って治療に向かうことができます。
肝臓病教室のスタートは1992年で20年以上の歴史があるのですが、この教室の取組みで分かったことは、単に治療すれば良いという事よりも、自分の病気を進行させないためには、どのような取組みが必要になってくるのか?という事を知りたい患者さんが多くいるという事でした。
肝臓病教室の成果
「あなたはC型肝炎です」などと診断されると、患者の心理として「あと20年後に肝臓がんで死ぬのだ」と思い込んでしまい、暗い気持ちで日々を過ごさなければなりません。
しかし、肝臓病教室には肝臓がんの治療を5年前にやって、さらに食道静脈瘤の治療をやったという患者さんが今元気で生活している姿を見ることもあり、そのような人を見ると、たとえ肝臓がんになっても元気な生活を取り戻せる事がわかり、慢性肝炎の患者さんにも希望の光りを見出すきっかけになります。
このような患者さん同士の体験談は慢性病の治療において非常に有効に働く事がわかり、当初意図した肝臓病教室での情報の提供という目的以外の副産物が得られました。
特に患者同士のグループワークでは一つのグループが7人から8人程度になり、患者中心の話がされており、医師は後ろに居て話が止まった時だけ、きっかけを与えるという立ち位置で、栄養士や看護士は話が活性化するような立場で参加しています。
医師と患者の意識改革
肝臓病教室以前には医師に対して患者さんは遠慮がかなりありました。
これは医師が忙しそうにしているので、診察室ではなかなかコミュニケーションが取りにくい雰囲気があり、そのような環境では医師と患者の信頼関係は育ちません。
しかし月1回の肝臓病教室では「コミュニケーションの場」という位置づけをしていますから、患者と医師の活発な意見交換が行われ患者の側も普段聞きたい事を気兼ねなく聞くことができる貴重な場となっています。
また10年前には、医師と栄養士、薬剤師など医療スタッフ同士のコミュニケーションも取れていませんでしたが、肝臓病教室で一堂に会すると、患者の要望やお互いの認識がうまく取れるようにもなってきました。
肝臓病教室に参加するには?
昨年の段階で全国180の施設で肝臓病教室が開かれ、都道府県にある拠点病院の半数で行われています。
肝臓病に関しては医療側と患者側の情報の共有が全国規模で進展しており、腎臓病や呼吸器疾患などの慢性病に関しても、肝臓病教室のような取組みがより良い医療を実現するための指針になると思います。
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