03 隠れた原因を探る
病気の隠れた原因を探る
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総合診療科で1番多い病気
東京医大病院の総合診療科で、 1番多く見られる症状として発熱があります。
このような患者さんの典型的な経過は、熱が出たら風邪かなと思って市販薬を飲んだり、近くの病院で風邪の治療を受けたりします。
しかし、そのようにしても「スッキリしない」 「微熱が続いたり高熱が出たりする」など場合によっては何週間もそのような症状が続く場合があります。
総合診療科としてこのような患者さんを医師が見る場合には、隠れた病気がないかどうか?緊急性のある病気があるかないかを見極めることが大切です。
緊急性の病気とは
微熱が続く病気で緊急性のあるものとして【感染性心内膜炎】という病気があります。
この病気は、心臓の中にある心内膜という内側の膜が炎症を起こす病気で、心臓の内側に細菌によって感染症が引き起こされた状態にあります。
この病気は、微熱が出るなど風邪と見分けがつきにくいものですが、心臓に関する病気なので、見落としてしまうと命に関わる場合もあります。
また、普通の血液検査でも区別がつかず判断が難しいのですが、血液培養という方法で血液中の細菌の有無を調べると感染性心内膜炎の原因の細菌が見つかることが時々あります。
さらに、感染性心内膜炎になると、心音が変わってきます。これは感染当初はわからないのですが、病気が進行してくると心臓の弁の機能が悪くなり心臓の音に雑音が混じることが時々あります。
総合診療科では、熱が続いているような場合には経過観察に伴い感染性心内膜炎も疑いながら、血液培養の検査も行われることがよくあります。
また、この病気が怪しいと思ったら心臓の専門家と連絡を取り合って超音波検査などを行います。病気の初期では超音波検査でも異常は見られませんが、経過とともに手がかりを探り続けます。
微熱が続くからといって必ずこのような重篤な病気であるとは限りませんが、その可能性も念頭において診断を進めてゆきます。
他の微熱の原因
風邪をひいて高熱が出た場合などに、その後数ヶ月間微熱が続くような場合もあります。
また精神面で大きなストレスを感じ続けている場合などには、微熱が続くようなこともあります。
総合診療科では、いろいろな可能性を考えながら経過観察を行い病気を特定し治療するということが行われます。
診断の難しい病気
総合診療科を受診される患者さんの病状を見てわからない病気は山ほどあります。
ある中年の男性の患者さんが【背中が痛い】と総合診療科を受診されました。
この患者さんは背中の痛みだから整形外科に行こうと思ったのだけれど、どうも骨の痛みでは無いようなのでどこの診療科にかかったら良いのか分からないから総合診療科に来たということでした。
最初の診察では、緊急性はないように見えましたが原因ははっきりわかりませんでした。
原因のはっきりしない痛みがある時に患者さんにお伝えするのは、この痛みは帯状疱疹という皮膚科の病気の初期症状かもしれません。もしそうなら今後ブツブツが出てきますからそのような症状が出てきたらすぐに病院に来てくださいと伝えます。
この患者さんの場合も、 1週間後ぐらいにブツブツが出てきて皮膚科を受診して頂きました。
更に2週間後に同じ患者さんが、今度はお腹にテニスボール大のコブができたと総合診療科に来られました。
このような症状は見たことがなかったのですが、皮膚科の医師に聞いてみると帯状疱疹の後遺症として一時的に筋肉が麻痺することがあり、お腹の筋肉の一部が麻痺して膨らんでいるのがその原因だということがわかり、しばらくしたら治るということなので、担当医も患者さんもほっとしたという次第でした。
このケースでは、最初から皮膚科にかかれば良いように思いますが、最初の入り口から適切な治療をガイドすると言う役割を総合診療科は果たしているのです。
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