食事のエネルギー量の把握は難しい

食事のエネルギー量の把握は難しい

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カロリー計算が合わない?



レストランでもメニューにカロリーが表示されているのを見かける事があり、摂取カロリーを調べる方法として
  • 毎日の食事を記録して行く方法
  • 個別の食品を摂る頻度と量を系統的に調べる方法
などがありますが、実は食事のエネルギー量の把握は難しいのです。


消費エネルギーを測る方法として、特殊な水を飲み2週間のうちに何度か尿を集めていくと、その期間のエネルギー消費量が正確にわかるのですが、体重の変化がないとした場合には食べたエネルギー量と使ったエネルギー量が等しくなるはずです。


しかし、実際には使ったエネルギーよりも食べたエネルギー量は20%程度低くなってしまうのです。


ある肥満患者さんの場合



30代の女性で体重が100キロ台の肥満患者さんの場合、毎月、食事記録を見せてもらうと1日1800キロカロリーの食事を心がけているのに体重が減らないという事がありました。


計算上は体重100キロを超えるこの患者さんの場合、その体重を維持するには1日のエネルギー消費量は3000キロカロリー程度は必要になります。


この患者さんの場合には記録しているエネルギー摂取量の把握がきちんとできていない事が原因で、詳しく食事の記録を付けてもらうと実際にはもっと多く食べていたことがわかり、きちんと摂取カロリーを記録すると不思議と体重が減ってくるようになりました。


このケースからわかる事は、食事エネルギーの把握は本人の自覚によるものが多く、ちょっとした間食や飲み物などは食べたうちに入っていない場合が多々あり、食事のエネルギー量の過小評価につながってしまうのですが、きちんと摂取カロリーを把握すると、計算通りに体重は減ってゆくという事なのです。



間違った食事指導



肥満や肥満気味の人は食べ物や飲み物に対する把握が甘く体重が増えやすい原因になっています。

正確な消費エネルギーの測定ができる様になったのは1980年代後半とごく最近で、それまでのエネルギー消費量は食事の記録から求めるしかありませんでした。


生活習慣病の食事指導には、過小評価された食事カロリーから導き出された数値が採用されており
体重あたり25〜30キロカロリー
と非常に少ないエネルギー量になっています。


基礎代謝が体重あたり20キロカロリーとして、身体活動レベルの1.5〜1.75をかけると
体重あたり30〜40キロカロリー
必要となり、実際に測定してみるとその程度のカロリーが必用になってきます。


栄養指導であまりにもエネルギー制限が厳しいと、ダイエットの継続ができなくなったり、リバウンドにつながります。


日本人の糖尿病患者さんの実際のエネルギー量を調査した結果が今年中に発表されてきますので、そのデータを元に今後の栄養指導が変わってくる可能性があります。


簡単で確実な把握には



食事の記録や活動レベルの記録をつけ、それを元に計算して体重を管理する方法が専門的ですが、簡単にできる方法として
  • 毎日体重を測る
  • お腹周りを定期的に測る
これらの記録を付けてみるだけで、行動に対する結果が良く分かる様になります。
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