手術による治療について

手術による治療について

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震え治療に手術!?



手術治療は脳のなかで
  • 震えの原因になっている神経
  • 動きを司る神経
に対して
  • 電気で刺激する
  • 熱で焼き凝固させる
など外的作用で症状の改善を目指すというものです。


震えの場合には
視床の中のVIM核
という場所を手術すると効果的に震えが止まる事がわかっており、手のジストニアには
視床の中のVO核
その他のジストニアの場合には
淡蒼球
という場所を手術します。


かつての手術ではレントゲンしか使えず、手術の成績も悪かったり効果が悪かったのですが、現在では通常よりも詳細なMRI撮影とコンピューターを使うことで正確な患部の特定が出来るようになり、手術の成績も良いものになっています。



3つの手術法



機器を埋め込む
心臓のペースメーカーの様な機器を体内に埋め込み、脳の患部に1分間に130回ほどのパルス刺激を与え、患部の神経をマヒさせ症状をコントロールするもので、2000年から保険適用となっています。

この治療の良い所は副作用が出た時には、刺激を弱くしたり中断して、効果が十分でない時には刺激を強くするなど術後の変更が出来るというメリットがあります。

しかし機器が故障したり充電が必要になるため生活の質が落ちたり、煩わしい思いをするというデメリットがあります。


熱で患部を固める
この手術は局所麻酔をして、額の生え際当たりに1センチ程度の穴を開けて細い針を正確に入れてゆき、患部に電気刺激を与え、震えが止まるかどうかの確認や、手足のしびれや動かないなどの副作用の確認を患者さんと会話して確認した後に患部を焼き固めます。


通常は70度で30秒程度過熱して患部を凝固させます。


この治療の良い所は1回で治療が終わり、手術後1ヶ月効果があれば、その後は一生その状態で維持されます。


しかし、しびれなどの副作用が出た時には自然回復に任せるしかないというデメリットがあります。


この手術は非常に精度が求められ、普段から専門に治療を行っている病院でしか出来ない手術です。


超音波治療
この治療はまだ臨床段階なのですが、頭の外から1000本以上の超音波を脳の中の患部に集中させ、その場所が熱を持ち患部を凝固させてしまうというもので、日本でも20例以上の治療が行なわれており、今後有効な治療になると思います。


また最近わかってきた事として日本人の頭の形や骨の厚さなどによって超音波の伝わり方がうまくいかない人が5人に1人の割合にみられ、機器の性能向上が課題となっています。



どの治療が良い?



どの治療を選択するかは医師とよく相談して決める事になります。


ペースメーカーの様な機器は、長期間に渡り機器と共に生きてゆかなければならないので、若い人よりも高齢者に向いていると思われ、若い人では熱で患部を凝固させる治療が向いていると思います。
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