ガン免疫療法の実際

ガン免疫療法の実際

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免疫チェックポイント阻害剤のガン治療



ガンに対しての抗体療法は以前から標準治療として行われてきましたが、新しいタイプの免疫治療として
免疫チェックポイント阻害剤
があり、現在日本で認可されているガンのタイプは
  • 悪性黒色腫(皮膚がん)
  • 肺がん
の2つのガンに対して使うことが出来ます。


免疫チェックポイント阻害剤の種類として悪性黒色腫には
  • PD1
  • CTLA4
肺がんには
  • PD1
の免疫チェックポイント阻害剤がありますが、これらは昨年承認されたばかりで、治療を行えるのは作用と副作用を厳重に管理出来る医師のいる病院に限られています。



どこで治療を受けられる?



免疫チェックポイント阻害剤を使った治療は地域の中核的な病院で受けることができるので、まず問い合わせて見る様にします。


現在ガン免疫療法を調べると様々な病院が名を連ねていますが、明確に効果があるのは、免疫チェックポイント阻害剤と幾つかしか無いというのが実情で、インターネットでヒットする多くのガン免疫療法は本当に効果があるかどうかは不明なものばかりです。


ガン免疫療法を受ける時には主治医と相談するのが一番大切です。



具体的な治療法



ガン免疫療法では、2〜3週間ごとに点滴で抗体を体に入れるというもので、抗体が体内に入ると免疫のブレーキが解除されて行きます。


基本的に通院治療が可能なのですが、病院によっては最初の段階だけ入院して様子を見る事も行われます。


悪性黒色腫の治療に使うPD1抗体は、治療が始まった頃は3週間ごとでしたが、2週間ごとに変わってきています。


肺がんは昨年の12月に2週間ごとに投与する治療法が承認されました。



治療成績について



免疫チェックポイント阻害剤を使うと多くの患者さんは
6週間後にはガンが小さくなる
事が認められますが、人によってばらつきがあります。


少数の患者さんでは、免疫チェックポイント阻害剤を投与したはじめの頃にはガンが大きくなり、やがて小さくなってゆくという事もあります。


また、治療を続けていると転移が見られ、他の場所にもガンが見つかる事があり、化学療法でこのような事があれば効果がなかったという判断を下しますが、さらに免疫治療を続けていると結局は効果が出たというケースもあります。


この様に、従来の化学療法や分子標的治療薬とは違った経過を経て効果が出てくる人もいますので、免疫療法の特性を考慮しながら治療を進めていく事になります。



治療期間と注意すべきこと



ガン免疫療法で効果が出ている場合には、ガンが消えればゴールは見えるのですが、途中の状態にある時にどれくらい継続して治療を行うのかは確固たる基準はまだ無く、どの段階で止めれば良いのか世界中で検討されている所です。


免疫チェックポイント阻害剤を使っても効果が無い時には治療を中断して他の治療をかんがえなければなりません。


ガン免疫療法では今までの治療とは異なる反応が見られる事があり、免疫チェックポイント阻害剤は副作用として自己免疫反応が起こりますので、注意して観察してゆかなければなりません。



高額な治療費



ガン免疫療法を一通り行うと通常1000万円ほどの費用がかかりますが、高額療養費制度を使えば、その範囲の負担となります。


しかし、国全体でこの治療が増えてくれば財政に与える影響が大きくなり今後の課題になってきます。
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04 ガン免疫療法の実際関連エントリー

01 ガンとは何か?
細胞がガン化するメカニズムやガン免疫療法の効果とは?
02 免疫のしくみ
体内に侵入してきた細菌やウイルス、そしてガンと戦う『免疫』の働きと仕組みについて
03 ガン免疫療法とは
ガン免疫療法の種類、効果と副作用について
05 ガン免疫療法の未来
今後ガン免疫療法が使えるガンの種類や治療成果の向上について