突然死を防ぐ

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命に関わる不整脈とは



不整脈で最も恐ろしいのは【心室細動】と呼ばれるもので、もし心室細動が起こると心臓がけいれんしてポンプ機能が働かず全身の血液が止まってしまいます。

こうなれば意識を失い倒れてしまう事になり、救命措置をしないと確実に死んでしまいます。



こんな時に起こる心室細動



心室細動の引き金には心筋梗塞がきっかけになることがあります。

心筋梗塞の自覚症状としては「急に胸が痛くなる」事があり、心筋梗塞が起こると心臓に血液を送っている冠状動脈が詰まり心臓の筋肉が正常に働かず、その結果電気信号が乱れ心室細動が発生するという経緯をたどることがあります。

他にも心臓に大きな負荷がかかった場合にも電気信号が乱れ心室細動が起こる事があります。

また見た目では分からないような人でも心室細動が起こる事があり、子供が運動中に突然倒れて動かなくなるような場合や、働き盛りの男性が夜間に心室細動になり亡くなってしまう事もあります。



心室細動から命を救うには



心室細動が起こると心臓はけいれんを起こし電気信号もバラバラになっています。

そのような時に外から大きな電気ショックを与えることにより、バラバラになった電気信号を一度に同期(リセット)させることができます。

電気ショックを与えた後心臓マッサージを施す事によって、心臓は再び正常な鼓動を取り戻すことができます。

心臓に電気ショックを与える機械が『AED』で、人が多く集まる場所でよく見かけます。






心室細動になったら血流は停止しますから、体中の細胞に酸素が供給されず救命措置は1秒でも早く行うことが必要です。

もし心室細動が起こってから1分間放置すれば死亡率は10%上昇しますので救急車を待つ間にもできるだけ早くAEDと心肺蘇生法で救命措置を行うことが大切なのです。


心室細動を防ぐには



不整脈の中でも死に直結する心室細動ですが心室細動を予防するには、その原因となる病気を予防する事が大切です。

心筋梗塞があったり、心筋梗塞のリスクが高い人は病気の治療や予防に努めます。

また、心室細動以外の不整脈が引き金になり心室細動を起こすこともありますので不整脈の治療が必要であれば治療しておく事も大切です。

しかしいくら予防に努めていても100%心室細動を防ぐことは出来ず、不整脈のリスクの高い人には『植込み型除細動器』を体内に入れておく治療法があります。



植込み型除細動器とは



植込み型除細動器は1980年代に開発され、日本では1990年代から使用されており、女性のコンパクト程度の大きさの機械を胸の皮膚の中に入れておきます。

この機械からは1〜3本の電線が出ており、電線は血管の中から心臓へと導かれています。

植込み型除細動器は心臓から不整脈が出ているかどうかを常に監視して、もし心室細動になったら1分以内に自動的に治療が開始されます。

20年前に20歳で植込み型除細動器を付けた女性は、現在までの20年の間に何度か心室細動になり卒倒しかけました。

しかしそのたびに植込み型除細動器が働き心臓は正常な動きを取り戻し、今では生活の上でも子供に恵まれ元気に暮らしています。
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