外来での診療と治療

外来での診療と治療

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ゲーム依存症治療で大切なコトとは



ゲーム依存症の治療で最も大切なのは
治療を途中で止めない
事で、治療を続けている限り症状は良くなってゆきますからドロップアウトしないような工夫をしながら治療を進めてゆきます。


ゲーム依存症の患者のほとんどは未成年者で本人は病院に行く必要性は全く感じていないので、ゲーム依存症の外来を受診する時に本人が来ているのは60%ほどで、残りの40%は家族が相談に来るという風になっています。


ゲーム依存症の人に病院に行くように諭すには
  • ネットやスマホとうまく付き合う方法を一緒に考えよう
  • 不規則な生活で心配だから健康をチェックしよう
というアプローチで説得してゆきます。


久里浜医療センターでは「家族会」などのプログラムがあり、患者を病院に連れて来るためのヒントを学習する場も提供しています。



治療の最初は



外来では、本人や家族から
  • ゲームをどの様にやっているか
  • 生活上の問題
  • 学校や職場の状況
  • 健康問題
などを臨床心理士が問診し、引き続き医師が
  • 本人の話を良く聞く(指導はしない)
  • 血液検査
  • MRI
  • 骨密度
  • 体力測定
  • 心理テスト
を行ってゆき、ここまでの検査をするのに4回の通院が必用になります。


5回目の通院時に検査の結果を見て、今後の治療方針を患者さんに伝え、本人が同意すれば治療を始めるという流れになります。


患者さんは家族に無理やり連れてこられる場合が多く、はじめは不機嫌なのですが、5回の通院で病院との間に信頼関係も生まれ治療はスムーズに行くようになります。



このような治療を行います



治療の目標は本人がゲームに関する問題を理解し、自らゲーム時間を減らしたり、止めたりする決断が出来る様に医療者がサポートすることで、患者さんとの信頼関係が重要になってきます。


外来診療では
  • 健康状態のチェック
  • カウンセリング
  • ニューアイデンティティ・プログラム(NIP)
などを行います。


ニューアイデンティティ・プログラム(NIP)
ニューアイデンティティ・プログラム(NIP)とは
新しい自分を見つける
為に取り組まれるデイケアプログラムの事で、午前中は体育館で運動して体力を取り戻し、昼は医療者と共に食事をしてグループミーティングを行い、人と会話する機会を増やしてゆき、午後からは、自分の行動を振り返り間違いを修正する
認知行動療法
に取り組み、ゲームに依存しないような生活を目指します。


このようなプログラムを続けていると改善度合いは人それぞれですが、時間の経過と共に自分で気づいてゆく場合や、立ち直った先輩の話がきっかけになる場合などがあります。


ゲーム依存症の治療では治療の終わりという考えはなく症状が改善して通院の頻度は下がっても、長い期間にわたり通院してもらうようにしています。



患者さんの傾向



ゲームのアカウントを削除し、ゲームをしない!という決断をした患者さんは、その後は比較的安定した経過をたどります。


ゲーム時間を減らす選択をした患者さんは、不安定でいつゲーム依存症に戻ってもおかしくない状態にあります。


ゲーム依存症の治療には息の長い治療で患者さんを見守ってゆくことが大切になります。
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03 外来での診療と治療関連エントリー

01 ゲーム依存症とは
ゲーム依存症はこんなにひどい!その実態を知りましょう。
02 ゲーム依存症の原因
ゲーム依存症の原因を知ると、依存しやすいタイプとそうでないタイプがわかります。
04 入院や合宿での治療
ゲーム依存症で入院治療を受ける段階まで来れば、回復への道筋ができます。
05 ゲーム依存症にならないために!
ゲーム依存症にならないためには?この方法を実践しましょう!