iPS細胞と倫理

iPS細胞と倫理

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豚の腎臓を人間に移植!?



iPS細胞を使えば
動物の臓器を人間に移植すること
も可能になってきています。


遺伝子操作で腎臓を作れない様にした豚を作る事さえ出来、そのような豚の受精卵の胚に人のiPS細胞を入れてやると、人間の腎臓が出来上がるのではないかと考えられています。


現在の技術ではiPS細胞を使って試験管の中で腎臓を作り出す事は出来ませんが、豚の胎児を借りる事で人の腎臓ができれば腎臓移植のドナー不足の解消につながり、将来の可能性としては十分にありえる事なのです。



まるでSF



豚にiPS細胞を使って臓器を作らせる時、もし何らかの拍子で脳の神経細胞に人間由来の細胞が入ってしまい
50%が人間の脳を持った豚
が出来てしまうと、とても知能の高い豚になるかもしれず、まるでSF映画の様な話になってしまいます。


さらに、大半が人間の脳を持つ豚が出てきた場合には
人格を持った豚!
が存在することにもなり、そのような豚の臓器を使うとなると倫理的な問題も避けては通れない様になってきます。


またiPS細胞で作った自分の臓器をどんどん取り替えてゆくと、どこまでが本来の自分なのか?という問題も出てくると思われますが、将来的にはある程度までは可能で、自分のスペアが存在すれば倫理観も大きく変わってきます。



倫理と技術革新



歴史を見ると倫理は時代や技術革新による時間的な経過で変わることがわかります。


例えば
試験管ベビー
と言われる人工授精の技術を使って人が産まれた時には社会的に大きな論議を醸し出し
神へのぼうとく
とまで言われてきましたが、近年では不妊治療などで当たり前に使われ、日本で生まれてくる60人に1人は人工授精の赤ちゃんです。


この背景には
  • 技術の安全性が確率されている事
  • 多くの人が支払える治療費である事
があり、多くの人の願望を叶え、社会的に認められれば
倫理感は簡単にかわってしまう
という事が言えます。


多種多様な社会において、ずべての人にとって正しい答えという物は無く、その時その人にとっての倫理観に重きが置かれると思いますし、そもそも技術革新の目覚ましい現代社会において、技術が出来てからその是非を考える倫理は今後も続けられてゆくと思います。



先進医療特約?



現在IPS細胞を使った医療費はとても高額で誰でも受けられる医療ではありません。


日本の医療制度は「それほど高額な医療は無い」という考え方で
高額医療費制度
も成り立っていますので、もし今後IPS細胞の様な新しい技術を使った医療が確立されてくると、アメリカの様に
金持ちだけが受けられる医療
という方向に向かってゆくかも知れません。
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05 iPS細胞と倫理関連エントリー

01 iPS細胞とは
iPS細胞のガン化を食い止める研究や、3Dプリンターなど分野を超えた技術で作られるiPS細胞の未来について
02 iPS細胞が作り出す臓器
現在iPS細胞を使った臓器再生医療はここまで進んでいます。
03 iPS細胞と新薬
iPS細胞を使ったガン治療や遺伝病の研究成果について!
04 iPS細胞が解明する病気のメカニズム
iPS細胞で遺伝性の病気の解明やガンの発生原因、そして効果的な薬を調べる課題とは