体内時計とメラトニン

体内時計とメラトニン

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人間は毎日地球より1時間ずれている!?


私たちは、朝になると目が覚めて夜になれば眠くなるというリズムで日々暮らしています。

この「リズム」は私たちの体にある「体内時計」が作っていて、なぜか人間の体内時計は地球の自転と1時間ずれていて、一日は25時間というふうになっています。

ここで体内時計と地球の一日の時間のズレを調整する必要が出てくるのですが、そのためには朝の明るい光と、夜に暗くなったときに分泌される「メラトニン」が調整役の基礎となっているのです。



メラトニンの新事実!?



メラトニンは脳の松果体というところから出るホルモンで、夜暗くなったら分泌されます。

メラトニンは脳の中枢時計に働きかけて「時間を修正する働き」や「夜になれば眠くなる」という働き、他にも「体温を下げ眠りやすい体調に持ってゆく」という働きなど眠りと深い関係にあることはよく知られています。

さらにメラトニンの驚くべき作用として

  • 老化を防ぐ
  • 寿命を長くする
  • がん予防
  • 免疫力の向上


などもわかってきました。

心筋梗塞や脳梗塞の患者さんが、メラトニンが十分に分泌されるよう規則正しい生活改善をすると予防効果も高まりますし、死に至るような心臓や脳の低酸素状態を防ぐ効果があるとまで言われていて、改めてメラトニンは注目されているのです。



メラトニンで若返る!



老化を防ぐ効果のあるメラトニンは、体内の有害物質を消去して細胞を“活き活き”と保つ『抗酸化作用』に強く働きかけていて、その働きにより細胞の老化を防ぐことができるのです。

私たちが病気になる原因として、酸素が形を変えて悪さをするようになるわけですが、メラトニンがそのような悪い酸素を除去する仕組みは以前から知られていました。

しかしその効果を発揮させるためには体内にある量の数倍は必要で、現状では効果が無いと考えられてきました。

ところが最近の臨床では、体内にあるメラトニンだけで細胞を守る効果が発揮されているという事がわかり、メラトニンが十分分泌されるような生活を送ることが、健康維持と病気予防、さらに老化防止には大切なのです。



メラトニンを十分分泌させるには!?



老化防止やガン予防、そして健康のためにメラトニンを十分分泌させる方法は

  • 昼間は明るいところで過ごす
  • 昼間はよく体を動かす
  • 夜は真っ暗に(できるだけ暗く)して寝る


これらの事をするだけで良いのです。

今までは、睡眠に関わるホルモンとして有名だったメラトニンですが、私たちの健康やアンチエイジングに直接関わっている事がわかってきました。

70歳程度の高齢になれば若い頃に比べてメラトニンの分泌は1/10にまで減少してくるのですが、メラトニンを意識した生活を送ることが健康につながります。

一人ひとりについて日々の生活を見直してゆくことが、病気の予防もにつながりますし、たとえ病気になったときでも治療の質を上げることにもつながってゆくと思います。
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