宇宙とつながる生体リズム

宇宙とつながる生体リズム

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生命の進化と生体リズム



地球に生命が誕生して以来、太陽からは熱や光など生きる上で欠かせない恩恵を受けるとともに、紫外線などから身を守るようもに進化してきました。

私たち人間も太古の昔から変わることなく自然や宇宙とつながりをもって生きているのです。



オーロラが出ると心臓病になる!?



生体リズムは昼間の光と夜の暗闇が繰り返すことで刻まれてゆくのですが、北極圏や南極圏などは季節によって一日中夜だったり昼だったりします。

しかし、極地で暮らす人もほかの地域で生きている人と同じくらいの健康度や寿命を維持できていて、太陽光とは別の生体リズムがあるのではないか?と予測できます。

極地ならではの自然現象と病気の関係について興味深い事実があり、それはオーロラが出て数日すると血圧や脈拍が上がったり、心臓病になりやすいという疫学データが発表されています。

原因を調べるために、現地で暮らす人の自律神経の状態を計測しオーロラ(地磁気の異常)との関係を調べてみると、オーロラが出たときには自律神経の働きは抑制され、自律神経が抑制されると自己防御系の働きが弱くなってしまう事がわかりました。

このような事実がわかってしまうと、私たちにとってオーロラとは美しい自然というよりも、魔女のような存在にすら感じられてしまいますが、違う見方をすれば宇宙と人間は、オーロラという自然現象を通じて『対話』をしているとも言えるのです。



地磁気を感じる時計遺伝子



時計遺伝子の「クライ」は青い光の受容器で、もともと植物にあった「クライ」を人が取り入れたものです。

「クライ」は紫外線によってDNAが傷つけられたときなどに修復する機能を持っているのですが、その修復機能があるのは、バクテリアや昆虫だけで人間にはありません。

しかし、人間の持っている時計遺伝子の「クライ」は目の網膜の中の細胞にあり、地磁気の変動を感じ取る事がわかってきました。

例えば渡り鳥などは地磁気を感じて正確な方向に飛ぶ事ができることはよく知られています。

人間も地磁気を感じ取ることができれば誰でも方向がわかる様になりそうに思いますが、目で感じた地磁気を脳に伝える神経回路がほとんど消滅していて、人間に方向を感じ取る能力は無いと信じられてきました。

しかし、オーロラと自律神経の関係を考えるときに、時計遺伝子の「クライ」が地磁気を感じ取り、極地で生きる人に影響を与えている事は疫学データが示すとおりで、極地で白夜や極夜などで生体リズムが刻めない季節には、この時計遺伝子が予備的に働いているのではないかと考えられています。
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