血圧のリズムと時計遺伝子

血圧のリズムと時計遺伝子

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血圧と体内時計の不思議な関係とは



血圧は測る状況や時間帯によって大きく変動し、昼間の血圧は高くて夜間の血圧は低くなるという事は良く知られています。

昼間に血圧が高くなるのは、身体活動をするためやストレスにさらされているのが原因で、夜血圧が下がるのは眠る事やストレスを感じにくくなっているため、と考えられてきました。

さらに最近、時計遺伝子の働きによって、昼夜の血圧変動のメカニズムがわかってきました。



その高血圧は時計遺伝子の異常かも?



昼間に血圧を上げるのは「B0」と呼ばれる時計遺伝子によるもので、夜に血圧を下げるのは「クロック」と言う時計遺伝子であることがわかっています。

時計遺伝子は6個ほどの遺伝子を基本に、それらをサポートする遺伝子が20個程度あると言われています。

時計遺伝子のうち「クライ」という遺伝子が異常をきたすと、食塩に非常に敏感に反応するタイプの高血圧になることがわかっています。

昼間の血圧に関わる「B0」が異常になると自律神経のホルモン調節が乱れ、「クロック」は副腎ホルモンのバランスの崩れに関係しています。

このように、生体時計の乱れをきっかけに様々な高血圧になることが解明されています。



治療しても血圧が下がらない!?



病院で血圧を測ったときに【上が140以上、下が90以上】
家庭血圧なら【上が135以上、下が85以上】
24時間血圧の平均値が【138以上】
なら高血圧と診断されます。

高血圧の治療といえば、食事の改善や薬物療法などが主に行われてきたのですが、そのような治療でも血圧が下がらない場合には、時計遺伝子の要素を治療に取り入れてみる必要があります。

最近の血圧治療では、昼間と夜間の血圧差や血圧の変動リズムが注目されています。

アメリカの調査では・・・

血圧値は正常でも夜間に血圧が下がらないタイプの人
昼間の血圧と夜間の血圧にメリハリがつきすぎている人

は心臓の血管が石灰化する動脈硬化が現れたという事がわかりました。

単に血圧値だけではなく、時計遺伝子の影響を受ける時間的要素も加えることで今後の新しい血圧の治療法が登場してくると思います。
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