痛みを制御する仕組み

痛みを制御する仕組み

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下行性疼痛抑制系とは



痛みを感じる神経回路は、痛みが発生した所から脳へと信号が送られるのですが、火傷や怪我などがある場合には、外部から刺激があると悪化させる事になるので患部を敏感にしておくように脳から積極的に信号を送る
下行性疼痛抑制系(かこうせいとうつうせいぎょけい)
という体のしくみがあります。


人間をはじめ動物は自分にとって興味のある物を無意識に選んで見たり聞いたりするという脳の特性があり、逆に都合の悪い痛みなどの刺激を、強めたり弱めたりして、自分にとって最も良いと思われる感じ方を制御するようにもなっています。



都合よく痛くなる



痛いはずなのに痛くない例として、スポーツをやっている最中に大けがをしても全く痛みを感じないのに、終わったとたんに痛みを感じる事や、試合に負けると痛みを感じる場合があります。

また火傷や怪我などがある場合には患部に意識を集中させるように命令する事によって、治る事を助け危険を避けるというしくみがあります。



慢性的な痛みとの関係



長引く痛みは
病気や怪我が治っていても続く痛み
を指しており、痛みの原因は取り除かれているにも関わらず、なぜか痛みを感じてしまう不思議な状態です。


この慢性的な痛みの原因として
下降性疼痛制御系
が関係していると考えられており、国際疼痛学会は
生物的に意味の無い痛みである
と定義しています。


他にも慢性的な痛みの原因として
  • 過度のストレス
  • 精神的な状態
  • 子供の頃からの成育歴
  • 社会的な要因
などの様々な要因が脳に働きかけて、下降疼痛制御系が活性化することで慢性的な痛みになっていると近年の研究で考えられており、その解決法として下降性疼痛制御系に働きかける薬の開発も行われています。
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04 痛みを制御する仕組み関連エントリー

01 痛みはどこにあるのか?
腰が痛い!ヒザが痛い!その時痛いと感じているのは腰やヒザではなく脳なのです!?
02 痛みはどのように記憶されるのか
記憶は脳の海馬というのが定説ですが、痛みの記憶は違う場所にあるようです。
03 痛みと感情
痛みと記憶は人間だけでなくハエにもあります
05 慢性化した痛みの考え方
慢性腰痛など長く続く痛みの原因と最新の治療法について