高血圧と網膜の病気について

高血圧と網膜の病気について

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高血圧で動脈硬化になると・・・



心筋梗塞などは動脈が詰まりますが網膜では静脈が詰まり、その原因には動脈硬化が挙げられます。


目の中で動脈と静脈はあちこちに立体交差のように走っています。


動脈が硬くなると交差する静脈が圧迫され、動脈硬化が進行するとホースを上から踏みつけているような状態となり血管が詰まったり、圧力に耐え切れなくなって血管が破裂し網膜の出血である【眼底出血】を起こすこともあります。



詰まりや出血の自覚症状とは




網膜の血管は傘の骨状に放射状に広がっており、本管が詰まった場合と枝が詰まった場合で出てくる症状は異なります。


網膜血管の本管が詰まると

・ものが歪んで見える
・見ようと思っても見えない
・全体にもやがかかったようになる
・とても暗くなる

などで急激に視力が落ちます。


網膜血管の枝の部分では、詰まった場所によって症状が異なっていて自覚症状があるときと無いときがあります。


目の上半分や下半分、端の方で詰まりがあっても、もう片方の目で視界をカバーしてしまうので、片目だけ少しぐらい見えづらくなっても、なかなか気づきにくくなります。


しかし何かのきっかけで、片目だけ見え方がおかしいと感じる事があり

・ものが歪んで見える
・視野が少し欠けている

などの自覚症状が眼科を受診するきっかけになります。






見えにくいまま放置していると



網膜の血管の枝の方が詰まって、少し見えづらい程度の状態を放置しておく間にも網膜では新しい血管を作ってしまいます。


前回の内容でも【網膜の新生血管】は、もろくて切れやすく、老廃物もダダ漏れの質の悪い血管であるという事を説明しましたが、この新生血管が原因で網膜剥離や眼内出血を起こし視力が低下する原因になります。



要注意!高血圧と動脈硬化



網膜の血管から出血を起こす人の多くに【高血圧、動脈硬化】が見られますので

・血圧のコントロール
・コレステロール、中性脂肪を下げる

などの治療が目の健康のためにも非常に大切になってきます。



最近の治療で視力が回復!



最近では、目に注射をして治療する方法が用いられるようになってきました。


それ以前の治療では視力の回復はあまり望めませんでしたが、ここ1〜2年で新薬も登場してきて、それらの薬を目に注射することによって、むくみを抑え視力の回復も期待できるようになってきました。


実際の治療では、網膜血管が詰まった場所によって治療成績も様々ですが

・本管が詰まった時には平均で0.2〜0.3止まりで0.1の人も多い
・中心に近い枝が詰まった時には0.2〜0.3
・枝の詰まり治療の平均は0.5〜0.6に回復

というような結果になっています。



悪くなる前に網膜をチェック!



体の中で血管を直接見られるのは『眼底検査』だけです。


眼底検査で、動脈硬化の進行具合を確認することができますので、動脈硬化が進行していれば血圧やコレステロールに注意したり、血圧を下げる薬を使って血管の健康を取り戻すような措置も取れます。


高脂血症になると、体の様々なところにトラブルが出てきますが、目の健康のためにも定期健診や早めの治療がとても大切なのです。
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