認知症の場合

認知症の場合

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認知症になる準備?



人生の最期において、治療優先の医療を受けるのか、緩和ケア優先の医療を受けるのかは大切な事ですが、そのような場面において認知症になってしまったときには、決定が難しくなってきます。


患者さんが認知症の場合には、家族が代理として医療の選択を行いますが、近年では一人暮らしの高齢者も増え、医療従事者がどのような治療を進めてゆくかを決めてゆく場面も出てきます。


かかりつけ医を持っている患者さんでは、その人の生活背景もわかっているのですが、そのような関係のない患者さんの場合、今後の生活にかかわる医療行為を医療スタッフだけで決めてよいのか?という倫理的な問題が発生してきます。


自分自身が一人暮らしであったり身寄りが無い立場にあるときには、元気なうちから
認知症になった時の事
を考え
  • 受けたい医療
  • 受けたくない医療
をあらかじめ人に伝えておくことが大切になってきますし、さらに言えば「かかりつけ医」をもって、認知症になった時にはどうするかを伝えておくことが望ましい事だと思います。



たとえ家族がいても



家族と同居している場合にも、認知症になってからでは自分の意志を伝えることが難しくなってきますので、元気なうちに
認知症になったときに受けたい医療
を伝えておくことは必要です。


また、自分の意志を伝えるだけでなく、その時に家族はどのようにしたいのか、お互いの意志の確認をしておくことも大切です。



認知症カウンセリング



認知症になると
  • 自分がどこにいるのか
  • 自分が誰なのか
など、大きな不安を感じる事もあり、認知症患者の心理カウンセリングも最近行われています。


認知症カウンセリングでは、一対一で対応する場合や、チームでサポートする場合のほか、同じ境遇の人が集まるグループでは、悩みの共有をして、自信を取り戻したり、解決策を見出す糸口が見つかるなどが期待できます。



胃ろうについて



認知症の程度は様々ですが、食事が食べられないようになった時に、流動食をチューブで胃に流し込む
胃ろう
をするかどうかの選択肢も考えておく必要があります。


胃ろうのメリットは食事ができない人でも生命維持の栄養補給ができるというものですが、体に穴を開けた所からの感染症対策や栄養剤の注入など周囲のケアが不可欠になります。


患者さん本人が「口から食べたい」という意思がある場合には、そのようにするのが最善の方法で、十分な栄養が摂れない時には、チューブからの流動食をメインにして、食べる事は補助的に行うという方法もあります。


食べる力が衰えてくると食べたものや唾液が気管支に入ってしまい
誤嚥性肺炎
につながりますので十分に注意を払う必要があります。


また、胃ろうしていることで受け入れ可能な施設や、胃ろうがあると受け入れないという施設など様々ですので、入所を検討される施設を調べ、胃ろうになった場合の対応を聞いておく事が大切です。
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