扁桃周囲膿瘍について

扁桃周囲膿瘍について

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喉に膿が溜まる



口を開けて喉のあたりを見ると、両側に丸くなっている部分が扁桃で、扁桃に膿が貯まってしまう病気を
扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)
と言います。


扁桃の役割は口から入ってくる雑菌から体を守る『免疫』を担っていて、ばい菌が入ってくると白血球が戦うことにより扁桃が腫れ
扁桃炎
となり、喉が痛くなります。


扁桃炎は一般的な症状なのですが、ばい菌が優勢になると扁桃の裏側にまで炎症が進行して、膿が溜まった状態が
扁桃周囲膿瘍
という状態です。


膿が溜まると白血球は集まりにくく、かつばい菌は増殖しやすい環境で、そこから血液にばい菌が入ってゆくと
菌血症(きんけつしょう)
という病気となり、命に関わる危険な状態になります。


扁桃は口から入ってくるばい菌のバリヤーとして、非常に重要な場所ですので、喉が痛いだけと軽く見てはいけないのです。







注意すべきポイント



扁桃炎が繰り返して起こる時には
  • 糖尿病
  • 免疫不全
などがあります。


いずれの病気も免疫力の低下で感染しやすく治りにくい体になっており、ばい菌が全身に回ると血糖値も上昇してしまいますので、それらの病気の治療をしっかりする必要があります。


扁桃炎になると、喉の入り口が腫れてきて飲んだり食べたりするたんびに痛みを感じる事になります。


さらに扁桃周囲膿瘍になると
  • 片側だけに痛みがある
  • 激痛がある
などの自覚症状がでてきますが、外から見ただけでは判断がつきません。


扁桃炎の治療で抗生物質を飲んでも治らない場合や、全身症状が見られる場合には扁桃周囲膿瘍の有無を調べる事になります。



扁桃周囲膿瘍の検査と治療



扁桃周囲膿瘍の検査では
  • 首のCT検査
  • 鼻から入れる内視鏡での検査
などで診断してゆきます。


膿瘍は膿がカプセル状に溜まった状態ですので、薬を飲んでもカプセルの中までは効果が及ばす、白血球も中まで入る事が出来ません。


膿瘍がある場合には内科的に薬を使って治療するよりも
  • 針を刺して膿を吸い出す
  • 手術で膿瘍を切除する
など外科的な治療が必要です。



セルフケア



膿が出来るのは免疫力が低下している状態で、無理をすると他の病気にかかるリスクが高まります。


治療の後には免疫力の回復のために
  • ストレスの無い環境
  • 疲れない環境
  • 他人との接触を避ける
などで1週間程度体を休め回復させる事はとても大切です。
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