伝染性単核球症

伝染性単核球症

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キスで風邪がうつる!?



伝染性単核球症(でんせんせいたんかくしょう)は聞き慣れない名前ですが、風邪をひいて熱と喉の痛みがある患者さんの血液検査をしてみると、この病気だったという事はよくあります。


伝染性単核球症の原因はヘルペスウイルスの仲間の
  • EBウイルス
  • サイトメガロウイルス
というありふれたウイルスに感染することによって発症し、感染経路は
  • 接触
  • 性交渉
などで、アメリカでは
キス病
と呼ばれる事もあり、通常2〜3週間で自然治癒します。



注意べきポイント



伝染性単核球症の原因はウイルスによるものなので抗生物質では効かず、間違って抗生物質を使ってしまうと
全身に湿疹
が出ることもあります。


伝染性単核球症が重症化すると肝臓や脾臓が腫れる事もあり、そのような時にお腹をぶつけてしまうと、肝臓や秘蔵が破裂して命に関わる事もありますので、安静にしていなければなりません。


またHIVウイルスの感染でも伝染性単核球症が見られ、自然治癒しても、潜伏期間後に重篤な病気が発症したり、HIVを他の人に感染させたりする可能性もありますので、伝染性単核球症になった時にHIVを発見する事がとても大切なのです。



HIVの検査



熱があって喉の痛みがある時に
  • 喉のリンパ腺の腫れ
  • 熱が長く続いている
などの症状がある時には、検査を行ってHIVの感染の有無を確認します。


血液検査で
  • 肝臓の数値が悪い
  • 異型のリンパ球
などがあれば伝染性単核球症と診断でき、さらにその原因となったウイルスを調べてみて
  • EBウイルス
  • サイトメガロウイルス
などが見つかれば自然治癒しますが、それらのウイルスが検査で出てこない場合にはHIVの検査をしてゆきます。



HIVの治療



最近ではHIVの治療も進歩しており、1日1〜2回の薬の服用で平均寿命まで生きられるというまでになっています。


HIVの治療薬を飲み続けると血液中のウイルスはほぼ0になり、他人への感染リスクも無くすことができますので、早期発見で治療を開始する事が大切になります。



風邪では無い病気の見分け方



熱があって喉が痛いという症状は多くの場合には風邪ですので、様子を見ているうちに回復してしまうのが通常です。


しかし、風邪だと思っていたら実は重い病気だったという事もあり、その見分け方として
症状の出ている期間が長い
というのが一つの目安になります。


また
患者が震えたら医者も震えた方が良い
という格言があるくらい、体が震えている時には注意が必要で、その場合には
細菌感染(菌血症)
の疑いがあります。


他にも
意識がもうろうとしている
時などは風邪ではありませんので、直ちに病院で診てもらう必要があります。
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