老年症候群の診断のポイント

診断について

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隠れている病気を見つける



老年症候群の診断において隠れている病気を見つけるのはかなり難しいものになります。

食欲不振の場合には単に食欲が無いだけの場合もあれば、重篤な病気の部分症状である場合もあります。

50歳以下の人が急性心筋梗塞にかかった場合には75%の人が
「胸の上に石を乗せられた」
ような激痛を感じますが、これが80歳以上の人ではわずか9%程度の人しか胸の痛みを感じず、他の人は食欲不振や吐き気などの症状だけで急性心筋梗塞になっている場合があります。

高齢者が心筋梗塞であるかどうかは、医療関係者なら血圧や脈拍の他に、爪や唇の色を見ればある程度予測がつきます。

家族や周囲の人は、いつもより様子がおかしいと思った場合にはすぐに病院に連れて行ってあげて下さい。


診断のポイント



老年症候群では、様々な非典型的症状を示しますので、経験豊富な医師に診断を委ねますしょう。

最近の患者さんの3分の1は後期高齢者ですので、医師の方も老年症候群の症状から病状を推測することには慣れていて、血液検査や超音波検査などで病気を特定してゆきます。

老年症候群では病気と直接関係の無い症状から、思いもよらない病気と診断されることがあります。

医師にかかる場合には、出ている症状が病気の特定につながりますので、病気には直接関係無いとおもわれるような症状があっても医師に伝えるようにして下さい。

老年症候群の診断においては直接訴えている症状とともに、他の病気も視野に入れて考える必要があります。

例えば、食物の飲み込みが悪い場合などは、脳の中心部の脳血管障害を考える事も大切ですし、誤嚥性肺炎、貧血、低蛋白血症、筋力低下、免疫力低下による感染、床ずれなどあらゆる角度から診断をしなければ、高齢者の健康を回復させることはできないのです。



身近な人が気づかない事も



毎日一緒に暮らしていれば、日々のゆっくりとした変化にはなかなか気づきにくいものです。

たまに会う子供から、どうもおかしいと指摘され検査をしたら、硬膜下血腫で脳が圧迫されていたというケースもあり、すぐに手術をして患者さんは元気を取り戻されたという事もあります。

他にも、階段で転びやすいという高齢者の話を聞いてみると、遠近両用メガネを使い始めてからだということがわかった事や、慢性心不全の高齢者の方が「最近どうも息切れがする」というので、良く話を聞くと「健康の為に水を飲むのが良い」と友人から聞き、毎日1リットルを飲み続け、気温が下がっても同じ様に飲み続けた結果、水分が溜まりすぎ心不全が悪化したようなことがあります。

このように、老年症候群は非典型的な症状が出やすく、周囲の人は普段から気をつけて高齢者を見守る事が大切ですし、病院に行く時は、見られる症状全てを医師に伝える事が必要になります。
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