患者の支えを知るために

患者の支えを知るために

スポンサードリンク

絶望的な人への接し方



回復のみ込みのない病気や後遺症になった時などには、どうして自分だけ!?と理不尽な思いにさいなまれる様になります。


そのような人に対して周囲の人間は何が出来るのか?とても難しいテーマではありますが
人は苦しみと向き合う時に大きな学びを得る
事があり、健康な時には当たり前すぎて気が付かなかった
  • 家族の支え
  • 友人の言葉
など何気ない事にさえ涙する様になります。


絶望的な状況の中で
私は今後どのように生きてゆけば良いのか?
と聞かれれば、患者さんにとって大切な『支え』について問いかけをしてみます。



絶望と希望



誰でも将来の夢を持っており、たとえまもなく最期を迎えるとわかっている人にさえ将来の夢というものはあります。


例えば、「自分が亡くなったら先に逝った戦友に会いたい」という患者さんには「亡くなったら戦友に会いたいのですね」と返します。


さらに戦友にと会った時に何を話したいのかを聞くと、今まで苦労した事や戦友の子供や孫達が立派になった事など、死を超えた将来の夢に希望を持つことさえ出来ます。


また若くして重い病気を抱えている人に対しても将来の夢を問いかける事はあります。


子供がまだ小さくて、死ぬ訳にはいかないというお母さんの場合、その人のお母さんも自分がまだ小学生の時に他界しており、母親はいつも自分の心の中で支えてくれていたという話をしてくれました。


たとえ母親は亡くなっていても、いつも自分の心の中で支えてくれていたのと同じように、自分の子供の心の中で生き続ける事ができるという答えが得られれば、まもなく命が尽きる自分の心の支えにもなります。



人は強くなれる



人は一人では生きて行けないと良く言われます。


しかし、お互いを心から認め合える人がいると人は強くなります。


辛い闘病中でも家族がいるから頑張れる場合や、ペットがいるから病気に負けるわけには行かない、さらに登る朝陽や自然に対して畏敬の念を持つ事などは患者さんの強い心の支えとなります。



自分で決められる自由



入院していると生活が決められていて、自宅の様な自由はありません。


しかし自宅では好きな時間にテレビを見たり、歌ったりなど、他愛のない事でさえ穏やかな気持ちになれる時間があり、それを自分の意志で選ぶ自由はとても価値の高いものです。


生活の中で最も価値のある選択の自由とは
トイレ
で、この事は健康な時には全くわかりませんが、病気になるとトイレに行くことが難しくなり
  • トイレでさえ自分の自由にならない
  • 家族に迷惑をかける
などで、大きな負い目を感じる人は少なくありません。


しかし自分で出来なくなった状況でも
誰かに頼る
という選択肢があれば心の支えを失うことにはならず、頼れる人とは
  • 話を聞いてくれる人
  • 下の世話が必要な自分を受け入れてくれる人
で、そのような人がいると生きる希望を持てる様にもなります。
スポンサードリンク

04 患者の支えを知るために関連エントリー

01 医療の2025年問題
あと10年後には世の中高齢者でいっぱいになります。その時に備える医療や介護とは!?
02 患者の理解者になるために
余命宣告をされた人や回復見込みの無い後遺症の人に接する時に患者さんの心を穏やかにする方法とは
03 患者の苦しみを知るために
重い後遺症や余命いくばくも無い人に接する時に、私たちはどのような対応をすれば良いのでしょうか?
05 総合力で支える!
終末医療、緩和ケアを自宅で行うポイントについて