原因についてわかってきたこと

原因についてわかってきたこと

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ややこしい病名の理由



筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群になると慢性疲労とは異なり
  • 激しい疲れが半年以上続き生活に支障が出る
  • 椅子に座るのもつらい
  • 箸やペンも持てない
  • 寝たきりで介助が必用
など疲労の度を越した症状が出てきます。


当初この病気は、発熱や咳など風邪と同様の症状から始まり集団的に発症したケースがみられたので
ウイルスによる感染
が疑われましたが、明確な根拠となるウイルスは見つかっておらず
慢性疲労症候群
という病名がついています。


一方イギリスでは、ウイルスの感染がきっかけで起こるとされる脳神経系の異常を訴える患者が多くみられ、特徴的な症状の一つとして
  • 全身の痛み
  • 筋肉の痛み
があることから
筋痛性脳脊髄炎
という病名がつけられています。


筋痛性脳脊髄炎の患者さんでは、保険診療の対象である
  • 血液検査
  • 脳のCT、MRI検査
を行っても、脳脊髄の炎症が見られず、この病名に慎重な立場を取る医師も多くいます。


これらの背景から厚生労働省では
筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群
と病名を併記して呼ぶようにしています。



解明されてきた原因



筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群の原因として
  • EBウイルス
  • 単純ヘルペスウイルス
などの感染がきっかけで起こる場合もあれば、そうでない場合もあります。


ヘルペスウイルスは免疫力が低下すると悪さを始め、免疫力が低下する原因として
  • 過労
  • ストレス
  • シックハウス症候群
  • 熱中症
などがあり、その結果ウイルスが活性化してくると、それに対抗する免疫物質が体内で作られます。


細菌やウイルスに対応するために作られた免疫物質は、なぜか脳の中でも作られてしまい、それが脳の神経系の炎症を起こしてしまう仕組みが、この病気と関係があるのではないかという事が解明されつつあります。



原因を特定するには



筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群は通常の検査では異常が見られないので診断が難しいという問題があります。


2014年に脳の炎症を直接見る事ができる特殊なポジトロンCT検査で、脳神経系に炎症がある事がわかり、炎症の部位と症状に関係性がある事もわかってきて
  • 認知機能の障害では「偏桃体」に炎症
  • 全身の痛みでは「視床」に炎症
  • 抑うつ症状が強い時は「海馬」に炎症
が見られます。


脳内で起こっている炎症は、ウイルスなどに対抗するための防衛反応の結果起こっている事ですので
  • 原因となる感染症の治療
  • ウイルスが活性化した要因の排除
などがこの病気の治療につながると考えられています。
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03 治療の難しさ
筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群の成果の出た治療法とは!?
04 病気を理解する大切さ
筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群という病気の診断にたどり着くと救われることがあります
05 今後の取り組み
まだまだ知られていない筋痛性脳脊髄炎、慢性疲労症候群について今後治療で進められてゆくこととは