脂質を考える

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こんな脂が体に悪い



私たちが食物から摂る脂肪は大きく分けると
  • 飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸
に分類できます。


飽和脂肪酸は・バター・ラード・牛脂など動物性の脂に多く含まれ常温でも固まった状態で、これらを食べると血管の壁にへばりついて
動脈硬化の原因になる
ので食べ過ぎには注意したいものです。


一方不飽和脂肪酸は
  • オリーブオイルに含まれるオレイン酸
  • ごま油に含まれるリノール酸
  • 青魚に含まれるDHA,EPA
などがあり、常温でもサラサラした脂で、
体に良い脂
というイメージがあります。



悪玉コレステロールを増やす脂!?



体に良い不飽和脂肪酸の中でも
トランス脂肪酸
には注意が必要で、トランス脂肪酸には主に人工的に作られた
  • マーガリン
  • ショートニング
などがあり、パンやクッキー、サクサクした揚げ物などで幅広く使われています。


このトランス脂肪酸は
善玉コレステロールを悪玉コレステロールに変える
働きがわかっており、トランス脂肪酸の摂り過ぎによって
  • 高コレステロール血症
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 糖尿病
になりやすい事が統計的、疫学的に確認されています。


一日に必要な総カロリーの内トランス脂肪酸が2%増えただけで
心筋梗塞の発症リスクは30%増える
ことがわかっており、65歳以上でトランス脂肪酸を多く摂っていた人では
認知症の進行が早まった
という事も報告されています。


また、白人の統計調査では、トランス脂肪酸の摂り過ぎは
大腸がんの発症リスクが54%も増した
という結果も出ています。


他にも、トランス脂肪酸が2%増えただけで
女性の不妊症リスクが70%増えた
という事も報告されており、様々な成人病の原因の一つがトランス脂肪酸の摂り過ぎであるという事が疫学的データで証明されているのです。



トランス脂肪酸規制



海外ではトランス脂肪酸に対する規制が行われており、アメリカでは1990年台からトランス脂肪酸の過剰摂取による心筋梗塞の発症が疫学的に明らかになり、2006年1月から
すべての食品にトランス脂肪酸の含有量を表示する
事が決められています。


しかし日本ではトランス脂肪酸の規制はまだ定められておらず
個人レベルで注意する
必要があります。



トランス脂肪酸の適量は?



WHO(世界保健機関)では
トランス脂肪酸の摂取量は総カロリーの1%未満
を推奨しています。


例えば、一日の総カロリーが2400キロカロリーなら24キロカロリー未満という数字になります。


もし・・・
  • 朝食にドーナッツ
  • 昼食にフライドポテト
  • パンにマーガリン
  • クッキー2つ
これだけでトランス脂肪酸は81キロカロリーになり、実に総カロリーの3.4%ものトランス脂肪酸摂取になってしまいます。


知らず知らずのうちに、トランス脂肪酸を含む食品を食べている人は多いと思われ、将来的に
  • 大腸がんのリスク
  • 不妊症のリスク
  • 認知症のリスク
が心配になってきます。



こうすれば大丈夫!?



トランス脂肪酸の摂取量を減らすには
パンにはマーガリンからオリーブオイルに変える
事がおすすめです。

オリーブオイルには不飽和脂肪酸が含まれ健康に良い影響を与えるのは間違いはありません。



また、トランス脂肪酸が多く含まれているクロワッサンよりも食パンにしたり、全粒粉パンに変えれば尚健康のためには良い選択となります。


他にも、DPAやEPAを多く含む青魚を積極的に食べたり、肉の脂身は切り取るなど、日々の食事の見直し、体に良い脂を摂るように心がけましょう。
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