内部被曝の検査

内部被曝の検査

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内部被曝検査が始まったのは・・・



南相馬市立総合病院では東日本大震災の4ヶ月後、2011年7月から内部被曝の検査が始まりました。

放射性物質で汚染された地域の汚染レベルはどの程度なのか、人体への影響はどの程度なのかが分からないことには適切な対応を取ることが出来ませんので、事故直後から外部被曝と内部被曝を計測して評価しなければならない事はわかっていました。



内部被曝の検査法



被曝には外部被曝と内部被曝があり、レントゲンの様に体の外側から放射線を浴びる事を外部被曝と言い、空間線量が0.5マイクロシーベルトなどは外部被曝の事を言っています。

内部被曝は体内に放射性物質を取り込んでしまい、体内の放射性物質から放射線が出ている状態で、内部被曝の計測にはいくつかの方法がありますが、南相馬市立総合病院では「ホールボディーカウンター」で計測しています。

ホールボディーカウンターは大きな箱のような機械で、その中に入って2分や5分など一定の時間に体の中にガンマ線を出す物質がどれだけ入っているかを計測します。

私たちの体の中には原発事故以前から「放射性カリウム」という物質が含まれていてその放射線で被曝はしています。

福島原発事故でいくつかの放射性物質が飛び散りましたが「セシウム」と呼ばれる放射性物質は、現在の内部被曝の原因の殆どを占めています。

ホールボディーカウンターでは、体内に放射性セシウムがどれくらい取り込まれているかを計測しています。



内部被曝の数値の意味



定期健診で内部被曝量を知ると、今後生活していく上において食品や飲水、その他予期しない所で放射性物質を取り込んでいないかを知ることができます。

食品や水などは放射性物質で汚染されていないか検査されているわけですが、検査漏れの可能性も否定できません。

被曝された方の内部被曝の実情を把握し、今後健康に与えるリスクはどの程度になるのかを個人個人に伝えるのが検査をする意味になります。



内部被曝の検査体制



福島県内での内部被曝は各自治体が行なっており、南相馬市では2つの病院で検査を行なっています。

個人個人の内部被曝量を検査し、結果をお知らせすることも大切ですし、地域での汚染の実態を知り、どのような事をすれば内部被曝のリスクが高くなるのかをお知らせする事も大事です。

現在の検査は県自体で行なっているものもあり、統一が取れていないという課題も指摘されており、県全体でどのような事に気をつけなければならないか?という事に対する検査体制の構築はこれからという所です。
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01 内部被曝の検査関連エントリー

02 被曝の現状と課題
今回の原発事故で放射性物質を内部被曝した場合、どれくらいの量を被曝したのか?現在体に残っているセシウムは?今でも放射性物質が多く検出される人の特徴は?継続した内部被曝の検査でこのような事がわかってきました。
03 学校検診の意義
南相馬市で行われている内部被曝の学童検診について
04 ベラルーシから学ぶこと
福島以前の原発事故といえばチェルノブイリ事故です。放射能汚染を受けたベラルーシの現状から福島における放射能汚染対策の今後を見ます。
05 心と体を守るために。
放射能汚染ではガンなどの心配と共に、子供を産んで大丈夫なの?などの心配があると思います。そのような人に対して医療が取り組まなければならないのは・・・