心と体を守るために。

心と体を守るために

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人によって違う被曝の実情



多くの人の被曝検査を行なってきて感じるのは、放射線の影響については様々な考え方、捉え方があり、今後は一人ひとりについて考える時期に来ていると感じます。

ホールボディーカウンターで放射線が検出されなくなると「もう大丈夫」という意識から診察室で相談する時間も劇的に少なくなる一方、高齢者の方などから放射線が検出されると、大きく落ち込んでしまうようなケースもあります。

また、地域としての空間線量は発表されたけれど、自宅がホットスポットで除染しても線量が減少せず、何の補償も受けられないという相談なども良く寄せられます。

このように全体としての平均値を見ると、放射線量は下がっていますが、個人単位で見るとまだまだ放射能汚染で苦しんでいる人が居ることも現実で、そのような人に対する検査体制やサポート体制は不十分で、地域内でも格差が生まれているのが実情です。



健康面での心配



放射線による健康面への影響もさることながら、放射能汚染を気にし過ぎるあまり、外に出るのを控えていると、運動不足による生活習慣病の心配や、元々あった糖尿病が悪化する事も心配されます。

放射線が細胞のDNAを傷つけガンになるという心配は実際にガンになっていないにもかかわらず、大きな心理的な負担になってしまいます。

そのような事が無いように検査を受けようと思う人もいれば、検査なんて必要無いという人もいて、意見の違いからいざこざが起こる事もあり、そのような事が積もり積もって人々の心を蝕む負の連鎖も起こっています。

また原発事故後には、収入の減少、友達が変わる、住む場所が変わる、地元のコミュニティが無くなる、家族がバラバラになる、など多くのストレスがかかっており健康を害する人もいます。

そのような中で、内部被曝や外部被曝については定期的に検診を受け、5年後、10年後にその人にとって役立てる様になればと思います。



尊厳を取り戻す



放射能汚染が一度起これば、今まで住んでいた地域が住めなくなり、作った作物は食べられない様にもなります。

また放射線を浴びたことによって、ガンの心配や世代を超えた影響など、人の尊厳を大きく傷つけてしまうこともあります。

すべての人が震災と放射能汚染という苦しみを乗り越え前に進んでいけるようになってゆければと思います。
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