高齢者の結核について

高齢者の結核について

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高齢者の結核



現在日本では、年間2万3千人以上が結核を発病しています。

このうちの約半分の1万2千人の人は70歳以上の高齢者で、90歳以上の人でも年間1300人程度の人が発病しています。

このような高齢者のほとんどは、若いころに感染した結核菌が体内に生きていて、抵抗力や免疫力が落ちて、結核菌を抑えることができなくなってきた段階で発病に至っています。

現在は元気でも、抵抗力や免疫力が落ちてくる高齢者の場合は、結核の発病リスクは高くなるという事が言えます。



免疫力の低下



高齢になれば、誰でも免疫力が落ちてきます。

免疫力が落ちる原因として、粗食による栄養状態の悪化や、ガン、腎臓病、糖尿病などが挙げられます。

また、ガンやリウマチなどの治療で副腎皮質ホルモンなどの免疫力を下げる働きのある薬を飲んでいる場合にも、免疫の低下は起こり結核を発症しやすくなります。



結核発病のプロセス



結核菌は肺に感染し、増殖することで肺炎を起こし、発熱や咳などの症状が出ます。

しかし、高齢者の結核ノ場合には、発熱や咳などの典型的な症状が出ない場合もあり、軽い症状や無症状の人もあります。

デイケアや訪問看護、入院や通院などしている人の結核の発見が遅れると、大きく感染を広げてしまうことにもなりますので、軽い咳や微熱でも注意深く対応する必要があります。

病院通いや施設で暮らしている人には、定期的に検診を受けるようにし結核の早期発見を心がける必要がありますし、病院に行く時には十分な感染予防をしなければなりません。



注意すべき人



昔結核にかかった人は、1年ないし2年に一度はレントゲンや痰の検査など結核検診が必要ですし、咳や微熱などのサインを見逃さず、早い段階で診てもらう事が大切です。

高齢者で結核の発見が遅れると治療も難しくなり、薬での治療も副作用が出やすくなったり、一旦入院してしまうと認知症が進行して家に帰りにくくなるという弊害も出てきます。
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