体内時計を整える薬の開発!

体内時計を整える薬の開発!

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頑固な脳の時計



体内時計の乱れは時差があるときに脳の体内時計が止まってしまう事によって起こり、脳の体内時計は柔軟に時差に対応出来ない事が原因になっています。


海外の時差のある地域に行った時には、脳の体内時計では夜だとするとたとえ外は昼間でも脳は夜の時間を刻んでいます。


しかし、夜なのに昼間というおかしな環境では脳の体内時計は混乱してしまい、時計を止めてしまうという事が起こってしまいます。


海外の時差ボケばかりでなく、三交代勤務でも脳の体内時計の停止は起こり健康を害する原因になっています。



時差ボケ解消の発見



時差ボケや交代勤務など「脳の体内時計」はその変化に対応できず、これまでその原因はわかりませんでしたが、岡村教授の研究によって脳の体内時計のメカニズムが分子レベルでわかるようになってきました。


体内時計の維持には『バソプレッシン』というホルモン物質が大きな役割を持っており、バソプレシッンは今まで「抗利尿ホルモン」として広く知られています。


抗利尿ホルモン『バソプレッシン』は体内の水分量が減ってきた時に脱水予防のために尿を出さないように働くのですが、脳内で『バソプレッシン』は神経間で時間を刻むために重要な役割を果たしている事が突き止められたのです。



たった1日で時差ボケを解消!



脳内で『バソプレッシン』が働かない様にしたマウスと正常なマウスを時差ボケの環境において実験したところ・・・


正常なマウスは時差ボケ解消に10日かかったものが、バソプレッシンが働かないマウスではたった1日で時差に順応してしまいました。


この実験から『バソプレッシン』が体内時計の時間の針を簡単には動かさないための物質であるという事が証明されました。



時差ボケや不眠症の新治療!



脳内で体内時計の細胞は1万個ほどあり、全身の60兆個の細胞に比べると僅かな数にしかなりません。


しかしその僅か1万個の脳の体内時計細胞が60兆個もの細胞の時計を統治するのか?

現在まではわからないままでしたが、『バソプレッシン』こそが、大元の1万個の体内時計の同期や共鳴に関わり、非常に強力で安定した脳の体内時計のリズムを作る事に深く関わっている事がわかってきました。


このメカニズムがわかったことで、体内時計の狂いによる不調や病気の根本治療が可能になってくると期待されています。


現在※一時的にバソプレッシンの分泌を抑える薬

が研究されており、もしその薬が開発されれば時差のある環境にもすぐに適応できて、不眠や時差ボケ、体調不良に悩まされることもなくなると予想されます。


時差のある海外旅行に行く前と現地に到着して1日程度、交代勤務に入る時などがこの薬が活躍する場面です。


しかし薬を飲んでも脳では強力なバリヤーでほとんど跳ね返されてしまいます。


そのバリヤーを突破し、安定的に効く“飲み薬”を目指していますが、薬が出来上がるのはまだまだ先になりそうです。


薬の開発はまだまだなのですが、体内時計を見出さない方法はあります。(次回に続く)
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04 体内時計を整える薬の開発!関連エントリー

01 体内時計とはなにか?
体内時計の事がわかっていると、時差ボケや睡眠障害などの解消に役立ちます。そもそも体内時計とはどういうものか?を知ります
02 何が体内時計を乱すのか!?
時差などで体調を崩すことや、不眠なども体内時計の不調が原因です。
03 体内時計の乱れと病気の関係
体内時計が乱れると病気になります。不眠症を始め高血圧、メタボ、糖尿病など単に体内時計の乱れと軽く考えていては大変な事になりますよ!
05 体内時計を乱さないためには
体内時計の不調による時差ボケや不眠症の新薬はまだ先の話ですが、体内時計を乱さない様にするコツはあります。そのコツとは・・・