血液病治療の最前線

血液病治療の最前線

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血液と健康



私たちの体は、自律神経やホルモンの働きなどで自然に健康を保つように巧みな構造になっています。

血液の成分も同じで、赤血球や白血球など多すぎても少なすぎても健康を維持することは出来ません。



血液の治療



赤血球を作るためには腎臓から分泌されるエリスロポエチンというホルモンが欠かせませんが、腎不全などがあるとエリスロポエチンが不足して貧血などになることがあります。

現在の遺伝子組み換え技術を使うとエリスロポエチンの生成が可能で、人工透析患者の貧血防止に医薬品として使われています。

他に、白血球の病気にも遺伝子組み換え技術が使われています。

白血球が減ると細菌やウイルスに対しての防御が難しくなり、敗血症など命に関わるような病気になってしまいます。

白血球が減っている場合などには、遺伝子組み換え技術で作られた『顆粒球コロニー形成因子』を注射することで白血球を増やすことができ、感染症を防ぐことが出来るようになってきました。

また、出血を抑える血液凝固因子も遺伝子組み換え技術で作ることが出来るようになっていて、血友病の治療に役立っています。

血友病は以前では血液製剤でしか治療法は無かったのですが、遺伝子組み換え技術で作られた血液凝固因子を使うことにより、より安全に、より確実に治療を行えるようになって来ました。



白血病の治療



血液の病気の多くは特定の遺伝子が原因になっていて、白血病も異常な白血球が過剰に作られる事が原因です。

白血病の新しい治療は、異常を起こす遺伝子をピンポイントで治療するという

『分子標的治療』

というもので、例えば【慢性骨髄性白血病】の場合などは、特定の遺伝子の異常で作り出されるタンパク質が、異常細胞の増殖を促す事がわかっていて、そのタンパク質の働きを阻止する薬も開発されています。

従来の白血病治療には、白血病細胞ばかりか正常の血液細胞も破壊して、感染症にかかったり、出血が止まらないようになるなどという副作用もありましたが、『分子標的治療』では副作用が無く、効果的な治療が可能になってきました。

また白血病の特定の抗体に働きかけ治療する方法も開発され、難治性の白血病というイメージは大きく変わってきています。
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