意外と知らない便の出るメカニズム

意外と知らない便の出るメカニズム

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こうして便は作られ排出される




私たちは食べ物を消化して、その残りカスが大腸に送られますが、この時にはドロドロで形がありません。

次に大腸で水分が吸収されてだんだんと形のある便になってゆきます。

肛門の上にある「直腸」は普段は何もないので“ぺったんこ”ですが便が直腸に入ると膨らんで“便が来た”という信号を脳へ送ります。

脳が信号を受け取ると、肛門の内側の筋肉が緩くなるような反射が起こり、同時に漏れないように肛門の外側の筋肉を閉めます。

そして便意を感じてトイレに行き排便の準備ができると、肛門を開く信号が発せられ、お腹に力を入れると便が出る!という複雑な作業を無意識のうちにおこなっています。



胃・結腸反射



ご飯を食べて胃袋にたまると、お腹に溜まっている食べかす(便)を出して、お腹にスペースを作れ!という信号が胃から脳へ送られます。

すると脳は大腸を動かして便を出すように指令する「胃・結腸反射」が起こり、これも便を出すためには重要な作業になります。



トイレトレーニング



赤ちゃんのうちはお腹に力を入れることや一連の排便動作はできませんが、栄養は母乳だけですので柔らかいウンチがでます。

やがて離乳食が始まると、ウンチも固くなって出にくくなり、排便の時んは顔を真っ赤にして力んでいる姿を目にすることもあります。


2歳から4歳になると腹筋も強くなりトイレトレーニングが始まります。

この時期に、お腹に力を入れた時に肛門をゆるめるということが徐々にできるようになり、同時にお尻の穴に力を入れてウンチを我慢できるようにもなってきます。


大人にとっては便意を感じてトイレに行き肛門の筋肉をゆるめお腹に力を入れて排便する事は簡単なことなのですが、子供にとって排便は大仕事で一連の作業のどこかに問題があるとすぐに便秘になってしまいます。


例えば、旅行に行った時などで環境が変わると、数日間便が出ないことがあります。

しばらくして固い大きなウンチをして、その時に【切れ痔】になってしまい、便をするたびに痛みを感じ「ウンチ=痛い」という思いからウンチを我慢して、頑固な便秘に発展してしまうこともあります。

他にも子供がウンチを我慢するのは

・トイレが怖い
・トイレトレーニングで失敗して怒られた

などがあり、これらもやがて便秘につながってゆきます。



子供も大人も朝が大事!



朝目が覚めると腸も目覚め、さらに朝食を食べると胃・結腸反射により便意を催しますので、一日の中で朝は一番ウンチの出やすい時間帯と言えます。

しかし、起きるのが遅いと朝食を食べてから出かけるまでの時間が足りず、腸が目覚る前に出かけることになってしまいます。

また、朝食を食べないと胃・結腸反射がおこらないので、ウンチは出にくくなり便秘になりやすくなります。

※早寝、早起き、朝ごはん

規則正しい生活で、朝のウンチの時間もしっかり確保することが健康のためには大切なことなのです。

またお菓子をたくさん食べる子供は便秘になりやすいという報告があり、親として注意しておきたいところです。
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