エビデンスに基づいた便秘の治療

エビデンスに基づいた便秘の治療

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科学的な医療




科学的な根拠に基づいた治療を行うことを

『エビデンス・ベース・メディスン』(EBM)といいます。

エビデンス・ベース・メディスンのメリットは、どこの病院やクリニックでも良質な医療が受けられることで、現在では「診療ガイドライン」というものがあります。

「診療ガイドライン」は日本をはじめ海外の様々な医学研究に関する論文の調査にもとづいて作られています。



子供の便秘研究について



子供の便秘について

・日本小児栄養消化器肝臓学会
・日本小児消化管機能研究会

の合同研究によって『小児慢性機能性便秘症ガイドライン』が2013年に発表されました。

このガイドラインはインターネットで見ることができます。

小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン
http://www.jspghan.org/constipation/ishi.html

また保護者向けのパンフレットもあります。

簡易版パンフレット
http://www.jspghan.org/constipation/files/leaflet.pdf
詳細版パンフレット
http://www.jspghan.org/constipation/files/pamphlet.pdf
排便日誌
http://www.jspghan.org/constipation/files/checksheet.pdf


このガイドラインは、医師ばかりでなく患者側からも評価する仕組みがあり、様々な人が使いやすいように工夫されています。



小児便秘のガイドライン



ガイドラインには

・便秘とは
・なぜ便秘になるのか
・診断
・専門家に診てもらうのはどのような時か
・単純な便秘でない!と疑うのはどのような時か
・治療、食事、トイレットトレーニング

など幅広い内容になっています。


ここで抑えておきたいポイントとして、肛門のすぐ上の直腸に便が詰まっている【便塞栓(べんそくせん)】がある場合には、【便塞栓】の除去が最初に行われるべき治療になってきます。


大きな固い便が詰まっている【便塞栓】の状態で下剤を使っても便は出ず、お腹がグルグルと痛くなるだけです。


たとえ出たとしても、柔らかい便が便塞栓の横をすり抜けて出てくるだけで根本的な解決には至らず、下痢だと勘違いしてしまう場合もあります。


厄介なことには、医師でも【便塞栓】の状態を把握でないことがありますので、『ガイドライン』では【便塞栓】の除去は一番強調されています。



便塞栓の治療



便塞栓の治療には

・浣腸
・座薬
・緩下剤(かんげざい)-便を柔らかくする薬

などがガイドラインには記載されていますが一番使われているのは浣腸で、1週間くらい毎日浣腸を続ける場合もあります。


便塞栓の治療には様々な方法があり子供の状況に応じて使い分ける必要があるのですが、ガイドラインに示されている方法でも完全に便塞栓が取りきれない場合も出てきます。

そのような患者さんには入院してもらい、大腸内視鏡検査の前に使う下剤を使ったりと特殊な方法で便を出すこともあり、そのような子供の中には2キロ以上の便が出てきたというケースもあります。



便塞栓を見つけるには



便塞栓のサインとしては

・少量の固い便が出ている
・肛門の周りやパンツに便が付いている
・便がなかなな出ないのに下痢便が出る
・おしっこはきちんと出来るのにウンチはいつもおもらし状態
・力んでいるのに便が出ない
・最後の排便から1周間以上排便がない
・下腹に固い物が触れる

などの症状があれば便塞栓が疑われますので、すでに治療を受けている場合には主治医に相談して、まだ病院に行っていない場合にはすぐに専門医療機関を受診することが必要です。
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04 エビデンスに基づいた便秘の治療関連エントリー

01 アッこれって便秘?
子供がお腹を痛がる原因に便秘があります。ウンチはちゃんと出ているのに便秘?下痢なのに便秘?そのメカニズムを知り子供のお腹の健康を守ってあげましょう!
02 意外と知らない便の出るメカニズム
子供はちゃんとトイレが出来ませんが2歳から4歳にかけて行うトイレトレーニングによって脳と体の連携を作り、うまくトイレができるようになります。トイレは一日にしてならず!
03 うそ?ほんと?便秘にまつわるエトセトラ
浣腸はクセになるからやらないほうが良い?便秘には水をたくさん飲んだ方がいい?など便秘に効く・ウソ・ホントを徹底解説します
05 大人の便秘に持ち越さないために
ウンチのおもらしがある!そんな時には子供の便秘を疑いましょう。子供のうちに治療しておくことが大人に便秘を持ち越さないコツです。医師でも子供の便秘を知らない人が多いので、ガイドラインと便秘チェック項目を参考にして、子供に適切な治療を受けさせてあげましょう!