流涙症の検査と治療

流涙症の検査と治療

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なみだ目の検査



なみだ目で患者さんが眼科を受診した時には問診を行い流涙症がいつから起こったかや、アレルギーや蓄膿症など持病の有無を確認します。

次に「スリットランプ」という顕微鏡を使い眼の状態を診てゆきます。

涙はまばたきをするたびに排水されなければなりませんが、怪我などでまばたきが上手くできない患者さんや
【内反症】や【外反症】
と呼ばれる瞼が内側や外側に反り返っている場合などには、涙が溢れ出る症状を示す人が多く見られます。

また【逆まつ毛】になっていると、眼の表面にまつげが当たる刺激で涙が多く出る原因にもなりますし、涙が多いことによって瞼が炎症を起こし、赤く腫れ上がったり、痒みを伴うような症状もあります。

他にも眼球表面の角膜や結膜の傷をチェックし、涙の量のチェックとして色のついた検査用目薬で涙が眼球表面を上手く覆っているかどうかの確認を行います。

涙の排水経路を調べるには、涙の排出口である涙点から細い管を入れ、水を流して鼻から口に通るかをチェックする『通水テスト』も行います。

流涙症において『通水テスト』は、涙道が詰まっているのか?細くなっているだけなのか?目やにが逆流していないかをチェックできる重要なテストです。



涙道が詰まるとこんな症状が



涙道が詰まっていたり、部分的に細くなっていると涙の排水が出来ず涙目になるばかりでなく【目やに】が溢れ出る人もいます。

まばたきのたびに眼の表面はきれいな状態に保たれるのですが、涙の排出が上手く出来ないと細菌による感染を起こしやすくなります。

また涙嚢が感染症を起こすと【急性涙嚢炎】になり鼻の横が急激に腫れ上がり、重症の急性涙嚢炎になると抗生物質の点滴や、皮膚を切って膿を出す処置が必要になります。

涙嚢の手前にある涙小管が炎症を起こすことがあり、慢性的に涙小管が炎症を起こしている患者さんでは【涙小管結石】が出来てそれが詰まりの原因となり、涙点のあたりが腫れたり、痛みを感じる事もあります。

何年も目やにが止まらず、目薬を使っても改善しない患者さんの中には【涙小管結石】が原因になっている事もあります。

このように涙道の病気を調べるには『通水テスト』が有効で、通水テストにより涙道を洗い流す事から『涙嚢洗浄』とも呼ばれています。



涙道の手術



通水テストで水が流れず、途中で詰まっている場合には手術で詰まりを取ってやる必要があり大きく分けて2つの方法があります。

1つ目の方法として、詰まっている所を涙道洗浄できれいにして『ブジー』と呼ばれる細い針の様な物で詰まっている物を通してやります。

この治療の後に再び詰まる事がありますのでそれを防止するために『涙管チューブ』を1ヶ月半から3ヶ月程挿入し、その後チューブを抜くと涙道の通りが確保されます。

『涙管チューブ』を入れている間は、1〜2週間ごとに涙道の洗浄を行う必要があります。


2つ目は、涙道の狭窄がひどい場合や、詰まりが長期間に渡る場合には涙道を通して使う事が出来ず、涙道のバイパス手術が必要になります。

涙道のバイパス手術では、鼻の骨の一部を削って新しい涙道を作ります。
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03 流涙症の検査と治療関連エントリー

01 涙はどこで作られ、どこへ流れてゆく?
流涙症(なみだ目)を知る前に、涙はどこで作られどのようなメカニズムで目の健康を守っているのか!?を知りましょう。
02 流涙症(りゅうるいしょう)とはどんな症状?
流涙症は涙が異常に多くなる病気ですが、その原因は様々です。赤ちゃんのなみだ目と大人のなみだ目の違いや、流涙症になりやすい病気、さらに薬の副作用でも流涙症になるなど、原因をきちんと理解しておきましょう
04 内視鏡を使った涙道治療について
涙道の手術と聞くと入院が必要なのでは?と思いますが内視鏡を使った手術では10分程度で終わるものもあります。また使えなくなった涙道のバイパス手術も受けられますので、なみだ目流涙症はガマンせず、悪化する前に治療を受けておきましょう。
05 様々な流涙症について
涙道が詰まる以外の流涙症の原因と、目薬よりも効果がある流涙症、ドライアイ、眼瞼炎の予防法!について