様々な流涙症について

様々な流涙症について

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涙管の詰まりがなくても・・・



流涙症は基本的に涙道が詰まって涙の排出が悪くなった結果、涙が溢れ出るというものなのです。

しかし、涙の通り道を調べる「通水テスト」で異常が無いにもかかわらず、涙が多すぎて困っている患者さんも多くいます。



まぶたの異常



涙道以外の流涙症の原因として【まぶたの異常】があります。

古い涙は涙点に上手く流してやる必要があり、これを行っているのが「まばたき」です。まばたきのポンプ作用が正常に働くと、涙点から涙道へと古い涙は流れてゆきます。

私たちは一日に何千回もまばたきをするわけですが、そのたびに「まぶたのポンプ作用」は行われ、もし何かのトラブルがまぶたに起こると、涙の排出が上手く行かなくなります。

まぶたのトラブルとして、怪我などでまばたきが正常にできない時や、まぶたが外に反り返る【外反症】、内側に入り込む【内反症】などでも涙の排出は上手く出来ず涙が溢れ出る原因となります。

このような患者さんには正常なまばたきができるように、まぶたの手術治療が行われます。



結膜の異常



結膜は白目の部分で半透明な膜で眼球を覆っています。

慢性結膜炎やアレルギー性結膜炎などでは炎症の刺激によって反射的に流涙症になる場合があります。

結膜炎の治療には様々な方法がありますので自己判断で済ますのではなく、眼科の診察を受けて治療することが一番です。

結膜炎以外の代表的な病気に【結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)】というもので、これは加齢により結膜がたるむ事で起こる病気です。

歳を取ると皮膚はたるんでシワが出てきますが、同様の事が目の結膜にも起こり、目の違和感や、目の乾きなどの自覚症状を感じる事があります。

結膜にシワがあると涙の排出が上手くできず、その結果流涙症になってしまいます。

結膜弛緩症には目薬での治療の他に、重症な場合にはたるんだ結膜を取り除く手術をする場合もあります。



眼科医からのアドバイス



流涙症は失明に至るような病気ではありませんが、いつも目に不快感を感じたり、まぶたがタダレたり、見えにくいなど日常生活に大きな支障をきたす病気です。

【なみだ目】と言っても、様々な原因がありますので眼科に行ってきちんとした診断を受けることが必要です。

もし涙道が詰まってしまうと【涙嚢炎】などの感染症を起こすことにもつながりますので、常に目の周りは清潔にしておく必要があります。

まぶたのケアとして

・毎日まぶたの周りをお湯で洗う
・まぶたの周りをマッサージする

事が有効で、これらのケアは目薬よりもずっと効果があるのです。

特にまつげの生え際には汚れがつきやすいので、目を清潔に保つ事が目の健康維持にもつながります。

目のケアは流涙症ばかりでなく、眼瞼炎やドライアイの予防にも役立ちますので、ぜひ毎日実践して習慣化しておきたいものです。

また歳だからと諦めてしまう人も多いのですが、きちんと治療すれば多くの流涙症は治りますので、眼科に行って積極的に治療を行い健康な目を取り戻しましょう。
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05 様々な流涙症について関連エントリー

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02 流涙症(りゅうるいしょう)とはどんな症状?
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03 流涙症の検査と治療
流涙症、なみだ目の時には迷わず眼科に行きましょう!簡単な検査と治療で長年苦しんできたなみだ目が劇的に改善します!
04 内視鏡を使った涙道治療について
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