内視鏡を使った涙道治療について

内視鏡を使った涙道治療について

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詰まった涙道を開通させる!



涙道の治療に際しては通水テストを行い、涙道が詰まっていたり通りにくかったりしている【涙道閉塞】がある人は手術による治療を行います。

涙道を通す手段として『ブジー』という、細い針のような器具で詰まっている場所を広げる処置をする事もありますし、最近では『涙道内視鏡』が用いられることもあります。


0.9ミリの内視鏡



涙道内視鏡は直径が0.9ミリ程度と非常に細く、詰まっている所をカメラで見ながら治療することが可能になっています。

涙道内視鏡は目頭の涙点から挿入し患部を見つけ、内視鏡の中から水を出し、涙嚢洗浄など作業を見ながら治療することもできます。

また鼻の方から入れる『鼻内視鏡』で観察することもあります。



涙道手術について



涙道内視鏡を入れる前には、目頭に麻酔薬を注射し、鼻内視鏡を使う時には鼻にも麻酔を行います。

目頭に麻酔をした後には数時間目の動きが鈍くなりますので、麻酔が取れるまでは眼帯を付けて帰宅してもらいます。

涙道内視鏡の検査と涙嚢洗浄の治療時間は10分程度で終わることもありますが、涙管閉塞でチューブを入れる治療では30分から1時間程度を要します。

涙道内視鏡手術は基本的に外来で行われ、その後は定期的な通院治療となります。



涙管チューブ



詰まった涙道にチューブを入れる治療は以前から行われていましたが、涙道内視鏡の登場で患部を見て確認することによって、より確実に、安全に涙管チューブを装着することができるようになってきました。

また、内視鏡で見られるようになった事でチューブを入れられないような患部の判断もできるようになっています。

涙管チューブを入れた後には1〜2週間ごとに涙嚢洗浄が必要で、1ヶ月半から3ヶ月経過した後チューブを外します。



涙道にひどいダメージがある場合



涙道洗浄や涙管チューブは、今ある涙道を治療して回復させるという治療法なのですが、長期間にわたって涙道閉塞を起こしている場合には涙道を回復させることができません。

このような場合には鼻の骨の一部を削って涙の通り道を作る『涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)』を行います。



どこの眼科に行けばいい?



涙道内視鏡や涙嚢鼻腔吻合術は全ての眼科で行っている訳ではなく、現在通っている眼科が対応していなければ病院を紹介してもらう必要があります。

これらの手術を行っている病院は

「日本涙道・涙液学会」のホームページ
http://lacrimal-tear.jp/shisetsu.html

で確認することができます。ただしこのホームページに掲載されていない眼科でも、涙道内視鏡や涙嚢鼻腔吻合術をやっている病院が多くありますので、まずお近くの眼科に相談してみてください。
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