ネット依存の深刻さ

ネット依存の深刻さ

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あなたはネット依存症ですか?



アルコール依存症やニコチン依存症などは物質を求めてしまうものなのですが、ネット依存やギャンブル依存などは【嗜癖(しへき)】と呼ばれるもので、特定の行動に依存してしまう事をさします。

日本ではじめての「ネット依存外来」が開設されたのは久里浜医療センターなのですが、【ネット依存】の診断指針となるガイドライは現在作成途上にあります。

アメリカで今年出されたガイドラインでは【インターネットゲーム障害】について次の9項目の診断思案があります。

  • ネットへの囚われ
  • ネットが出来ない時の禁断症状
  • ネットをする時間が増えた
  • ネット使用の時間を短くしようとして失敗に終わる
  • 心理的、社会的な問題が起きている事を自覚しつつもネットを使い続ける
  • ネット使用の結果、興味や趣味をなくしたり、ネット以外の興味が無い
  • 嫌な気分から逃れる事や解消のためにネットを使う
  • ネットを使う為に、家族や周囲の人をだます
  • 人間関係や仕事、教育の機会をネット使用により危うくしてきた

があり、このうち5項目以上当てはまる事があれば【インターネットゲーム障害】と診断されます。



日本のネット依存人口



WHOが作った「国際疾病分類」が2015年時に改定されますが、その時に【ネット依存】が正式な疾病として掲載される方向で話が進んでいます。

ネット依存症外来では、ネットの使用により明らかに健康問題が生じていたり、家族や社会問題が生じている人を診療対象にしています。

2008年に全国の成人を対象にしたネット依存症の調査によると、20歳以上の男性2%、女性の1.9%にネット依存症の傾向が見られます。

人口にするとおよそ270万人と見られており、想像していたよりも遥かに多いことから「ネット依存外来」が始まるきっかけとなりました。



若者のネット依存



全国の中高生10万人に行ったネット利用の調査によると、中学生の5人に一人、高校生の3人に一人が、平日に勉強以外で3時間以上ネットを使っているという事がわかり、休日になると中学生は3人に一人、高校生は2人に一人の割合に増えています。

このうちネット依存が強く疑われる中高生は、男子が6.4%、女子が9.9%となり、推計値は55万8千人となっています。

これらの数値は同様の調査を行ったヨーロッパよりも高く、問題の深刻さが明らかになっています。

一般的に依存症といえば中年男性のイメージがありますが、ネット依存症については未成年が圧倒的に多く、特に男子よりも女子に多いのがネット依存の特徴的な性質です。



放置できないネット依存



ネット依存症が最も多いのが未成年であり、今後も患者の数は増加する事が予想できます。

またITの技術革新により、さらに新しいタイプの依存症が生まれる可能性も大きく今後さらに注意深く見守ってゆく必要があります。

ある程度年齢の高い大人の場合には、しがらみがあったり人生の方向性が定まっているのですが、人生経験が乏しい子供がネット依存が極端なると、ネットの世界以外では上手く生きて行けず、不登校や引きこもりへの発展など人生が大きく狂ってしまう事につながります。

また、新しい技術の吸収が早いのは子供や若者達で、それゆえ深みにハマる要因にもなり得てしまうのです。
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03 携帯端末、便利さのウラガワで・・・
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05 ネット時代のこころの健康
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