治療はどのように行われるのか?

治療はどのように行われるのか?

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ネット依存外来を受診するには



国立病院機構久里浜医療センターでは2011年7月に全国で初めての「ネット依存外来」が開設されました。

ネット依存外来は完全予約ですので、まず電話で予約をとります。

子供がネット依存の場合には親が予約を取り子供と共に来院するわけですが、その時の子供にとっては「一番の楽しみが奪われる」という事で非常に不機嫌な様子です。

医師との面談でいきなり「ネットを止めようよ」などと言うと、火に油を注ぐようなものですので、まず子供との信頼関係を作ることから始めます。



診察の始まり



患者さんに対しては、まず病気の検査と同じように血液検査や脳のMRIなどを調べ、健康問題や心の状況を見てゆきます。

そのような診断を何度か繰り返すうちに、少しずつ話しができる状況をつくり、オンラインゲームなどの話もしてゆきます。

また、日常の生活記録をつけてもらい、その記録を本人が見ることで客観的に自分の生活をふりかえることもでき、医師としても問題を把握することができます。

そして記録した生活パターンから、ゲームをやる時間の目標を決め、その目標に向かって取り組んでみます。



うまくゆく治療



ネット依存を抜け出すために、オンラインゲームの時間を短くしよう!という事だけにターゲットを絞って取り組んでもなかなかうまく行かない経験則があります。

そこで視点を変え「インターネットを使わない時間を増やす取組み」を行います。

具体的には、病院に行って午前中はスポーツなどネットを使わない環境に身をおき、昼からはオンラインについて話し合うという治療プログラムや、どうしてもオンラインがやめられない場合や、昼夜逆転の生活が治らない時には入院治療を行うケースなどがあります。

また、患者の家族も子供に対してどのように接して良いのか分からない事がありますので「家族会」で医師からの指導や情報交換の場も提供されています。



ネット依存の治療目標とは



現代社会においてインターネットは重要な社会インフラですので、完全に断ち切る事は出来ません。

ネット依存の治療目標としては、上手にネットと付き合う事で患者さんと達成目標に近づいてゆくというスタンスで治療を進めてゆきます。

具体的な回復パターンとして

・ネットを使うのは情報検索のみで、依存していたサービスは利用しなくなった
・土日は昼夜関係なく思う存分ネットを楽しみ、平日はネットを絶つ
・ハマっていたサービスを日常生活に支障の無いレベルまで短くできた
・ネット以外に楽しみが見つかり、ネット依存から抜け出せた

などがあります。



子供の危険を見逃すな!



子供がネットにハマると、親は子供が何をしているのか?何にハマっているのかが分からず対応に苦慮します。

そこで子供の様子がおかしいな?と思ったら、早い段階でその状況について子供と話し合い、何をしているのかを聞くことが大切です。

子供の機嫌が悪くなることなどは承知の上で毅然とした態度で望むことです。

オンラインゲームでは依存の進行が非常に早く、ゲームを始めてから1ヶ月ほどでも依存状態になりますので早期発見、早期対応するほど軽傷で済みます。

もし依存状態が長く続くと、親がネットの話をするだけで子供がキレてしまい暴言を吐いたり、暴力に至ることさえあります。

実力行使でネットを切断したり、機器を取り上げるような事をした場合には、稀に状況が改善する場合もありますがほとんどの場合、親子や家族との関係の悪化につながりますので逆効果になります。

ネット依存で、朝起きられなくなり、遅刻や欠席、さらに不登校になってしまった場合に、そのままにしておいても問題が先送りになり状況が悪化するだけですので、早く専門家に相談することが大切です。
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