ピロリ菌と胃の健康をめぐって

ピロリ菌と胃の健康をめぐって

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新たに認められた保険適用



ピロリ菌除菌についての保険適用は、2000年に胃潰瘍と十二指腸潰瘍のみ認められていました。

その後3つの病気が認められ、さらに今回胃炎を対象にして保険適用となり、当初からすれば夢のような環境が整って来ました。

2009年に日本ヘリコバクター学会から
「ピロリ菌の感染者は全て除菌して下さい」
という声明が出されていましたが、当時は胃潰瘍と十二指腸潰瘍のみしか保険適用されておらず、他の病気の人がピロリ菌を除菌しようとすれば全額自己負担しなければならないというものでした。


ピロリ菌に感染している人には全て胃炎があります。

ここで言う胃炎とは、胃が重たいとか胃が痛いというものではなく、胃の組織に白血球が多く見つかるという状態です。

胃炎の段階でピロリ菌を除菌できると、病気が更に進行して胃ガンになる事も予防できますので専門医からすればとても喜ばしい事なのです。



早期発見、早期治療より



ガンの治療には「早期発見、早期治療」とよく言われますが、そもそものガンの発生を抑えこむ事ができればそれに越したことはありません。

このように病気の発生自体を予防する事を『一次予防』と言い、ピロリ菌除菌で一次予防が出来れば胃ガンの発生を大きく下げる事ができるのです。

ただし、ピロリ菌を除菌してもガンのスイッチが入ってしまうと胃ガンは進行してゆきますので除菌が万能という訳ではありません。



いつ除菌すればいいのか?



長野県では公費で、高校生を対象にピロリ菌を検査し除菌をするという取組みが行われています。

現在の高校生はピロリ菌の感染率は低く、費用効率も高いので結果がとても楽しみなものになっています。

ピロリ菌は除菌することによって胃をはじめ様々な病気の予防につながりますので、ピロリ菌除菌はとても重要になります。

胃に不調を感じたら、ぜひ内視鏡で胃とピロリ菌の検査を行なっていただきたいと思います。



保険適用外の除菌



保険適用の治療法には使う薬も決められています。

保険治療で使う薬にペニシリンが含まれていますのでペニシリンアレルギーがある人では、保険が適用されません。

また、三次除菌(一時除菌や二次除菌でも除菌出来なかった人)も保険治療にはなりません。

残念ながらこれらの患者さんは自費で除菌治療を受ける必要がありますが、だからといって治療をしなくても良いという理由にはなりません。

これら保険適用外の治療に関しては

「日本ヘリコバクター学会」

のホームページから

認定医一覧

で病院を調べることができます。



これから大切な事



日本人は3500万人もの人がピロリ菌に感染していると言われています。

内視鏡検査で胃炎がありピロリ菌の検査が陽性ならば保険適用になりますので、胃の調子が悪ければ勇気を出して「胃カメラ」の検査を受けていただきたいと思います。

ただし、胃に病気が無い場合のピロリ菌検査は保険が適用されませんので、その事を知った上で内科や消化器内科を受診するようにして下さい。

ピロリ菌に感染すると、胃の病気ばかりでなく様々な病気のリスクも高まりますので早く除菌していただくことは何よりも大切です。
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