過信は禁物

過信は禁物

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早朝ウォーキングが危険な理由



体全体の機能を調節している自律神経系の中には「交感神経」と「副交感神経」があり、交感神経は「働け!」という信号を、副交感神経は「休め」という信号を出しています。

つまり夜に副交感神経が、昼間には交感神経の働きが優勢になるわけです。

ここで朝起きた時を考えると、副交感神経から交感神経が交代して働き出し、脈拍や血圧が上昇します。さらに血液中の血小板も活性化して血栓ができやすくなります。

動脈の一部にコレステロールが溜まっていると、そこを痙攣させてコレステロールの塊を壊し、そこに血栓を作って血液の流れを障害するような事も起こります。

血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞が発症しやすくなるのですが、このようなことが生じやすいのが早朝で、その上ウォーキングなどでさらに交感神経が活性化するような運動は、中高年においては避けたほうが無難です。



健康のためだったはずが・・・



62歳の男性は早朝ジョギング中、突然激しい胸の痛みに襲われ、すぐに救急搬送されました。診断の結果【解離性大動脈瘤】で緊急手術が行われましたが命を取り留めることはできませんでした。

この人は長年の高血圧の治療を受けており、激しい運動は避ける様にと注意されていました。


65歳の女性の場合、早朝ウォーキング中に突然動悸を感じすぐに意識を失いました。一緒に居た人が救急車を呼び大学病院に搬送される途中に心室細動を起こしAEDで一命をとりとめることができました。

この人は時々不正脈があり、血圧も高く、早朝の運動は控えるように指示されていました。


70歳代の男性の患者さんは外来で狭心症の治療をしています。

冬の間はゴルフは自重するようにという指示があったのですが、どうしても断りきれずに早朝ゴルフに行った先で心筋梗塞になり亡くなってしまいました。


高齢になると自分では気づかない体の変化があちこちで起こっている事が多く、脳や心臓の動脈の壁の内側にはニキビのようなコレステロールがびっしりとプラーク状になっていて、急激な血流の変化があると破れる事があります。

すると破れた部分に血液の塊ができて脳梗塞や心筋梗塞を起こしてしまうのです。



高齢者の健康は60点!?



高齢でも病気が無く元気でいられても、その状態は60点を上回る程度で100点に近いというものではありません。

もし、健康ギリギリの60点で普段の生活を送っていたとすれば、体に無理のかかる早朝ウォーキングなどをしたときにはすぐに点数が下がってしまい、体には赤信号が点滅し始めます。

高齢者がウォーキングなどをするときには、体に優しい昼間の時間帯に行う様にしてください。
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