進化するイボ痔の治療

進化するイボ痔の治療

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痔の治療も進化しています!



痔核(イボ痔)治療の基本は
保存療法
で、これは肛門に負担をかけないような生活習慣を心がけるという事です。


また症状に対しては
  • 出血を抑える
  • 便秘の改善
  • 下痢を治す
などの治療を行い、痔に対して一番効くのは
座薬や塗り薬
などの外用薬です。


座薬は肛門に入れると溶けて、排便の際には潤滑油の役割を果たし、痔のある部分に負担をかけないような働きをしたり、出血や痛み、腫れを改善するなどの成分も含まれています。




薬が効かない時の外来治療



座薬や塗り薬を使っても出血が収まらない時には
フェノールアーモンドオイル注射療法
が行われます。



フェノールアーモンドオイル注射
イボ痔のある血管の根本に硬化剤であるフェノールアーモンドオイルを注入して止血するという方法で、イボ痔による出血には非常に効果があり、外来で治療を受けることができます。


ゴム輪結紮療法
ほかには、内痔核だけが脱出している時には
ゴム輪結紮療法(ごむわけっさつりょうほう)
という治療が行われ、専用の器具で伸ばしたゴム輪を痔核の根本にはめ込み、血流を止める事で患部を壊死させ、1周間ほどで自然に取れるという経緯を取り、この治療も外来で受ける事ができます。



いよいよ手術療法



内痔核と共に外痔核が脱出している様な時には、日常生活に大きな負担を強いられ、仕事やスポーツ、旅行に行くことなどもままならず、患者さんが治療を希望するときには手術治療を行います。


結紮切除術
現在行われている痔の手術は50年間行われてきた
結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ)
というもので、イボ痔の血管の根本を縛っておいて、脱出する部分を切り取るという方法です。


半閉鎖術
切り取った患部はそのままにしておくと、治りが遅くなったり、痛みを感じたりしますので、最近では肛門の中の傷は自然に溶ける糸で縫合しておく
半閉鎖術(はんへいさじゅつ)
という方法も行われるようになっており、手術当日の痛みは
  • 半閉鎖術を行わない時には70%が痛みを感じる
  • 半閉鎖術を行った時には7%が痛みを感じる
という風に激減します。


また半閉鎖術を行うと治る期間が短縮され、何もしない時に比べると半分程度になります。


手術治療では1週間から2週間は入院が必要です。


 



新しい治療法



PPH
2000年ころから始まった治療として、脱出したイボ痔を肛門の中に戻し、肉がたわんだ部分を、お腹の手術で良く使われている
器械吻合器(きかいふんごうき)
という物をつかって患部を切り取って縫い付ける
PPH
という方法が用いられいます。


ALTA(アルタ)療法
さらに2005年ごろからは、脱出した痔核を注射で治療する
ALTA(アルタ)療法
も行われるようになってきました。


ALTA(アルタ)療法は
硫酸アルミニウムカリウムタンニン酸液
をイボ痔に注射すると、その場所に炎症が起きて、弛んだ支持組織が線維化して、周辺の括約筋にしっかりとくっついて行き、イボ痔も縮小するという効果があります。


ALTA(アルタ)療法は強い薬を扱いますので
内痔核治療研究会
の講習を受けないと治療は行えません。



併用療法
外痔核のイボ痔は結紮切除術で、内痔核のイボ痔は注射のALTA(アルタ)法で行われる様にもなってきました。


このように、様々な治療法は長所と短所の説明を医師から受け、どれを行うか相談して決めるという流れになります。
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