時間医学、今後の展望

時間医学、今後の展望

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時間医療が感染症にも有効な場合



感染治療においても時間医療が必要であるという考え方は以前からあり、その理由として感染症が原因で死亡する人の多くは朝方の6時という事が上げられます。

また細菌感染で発熱があるのはほとんど夜間であるので、細菌感染と時間には関係性があり治療にも時間的アプローチを考えて行う事が必要で、時間帯における投薬後の効果や副作用などが研究されてきました。

感染治療の基本は、血液中の薬の濃度を細菌が死滅するまで上げるという事が基本ですので、薬をいつ投与するかよりも、薬の効果をどれくらいの時間持続させるか、に重きをおく必要があります。

薬の効果とは別に副作用があります。抗菌薬の多くは腎臓から排泄されるのですが、腎臓の働きが弱まるのは夜間ですから、夜に薬を投与すると体内に薬が長くとどまってしまい副作用も強く出ることにつながります。

この事から抗菌薬の副作用を抑えるには昼間の投薬が基本になります。



ガンと生体リズム



ガンも生体リズムと深く関係しており、動物実験で生体リズムを司る時計遺伝子を取り除いた場合すぐにガンになり、さらにガンの成長が通常よりも早くなることからガンの治療にも時間医学が有効であると考えられています。

がん治療における時間治療の基本は細胞分裂の周期にあります。

細胞は1日〜2日おきに分裂をするのですが、分裂をする時にはDNAが合成され、まさにその時間帯にがん治療の薬を投与してしまうと障害が起こってしまいます。

がん治療薬を使う場合にはDNA合成が最も低い時間帯を選んで制ガン剤を投与しなければならないのですが、臓器によって細胞分裂の時間帯が異なっています。

さらに、使用する制ガン剤、抗がん剤によって効くスピードも異なってきますので、時間医学的な要素を加味した治療はなかなか難しいのが現状です。



生体リズムを整えガンにかかりにくい体に!



毎日規則正しい生活を送っている人は生体リズムが正常な人で、このような人はガンにかかりにくく、もしガンになってしまっても治療の効果は大きく現れます。

ガン患者における5年後の生存率という目安がありますが、これも生体リズムが正常な人は良い結果が得られています。

このように、ガンの予防や治療には規則正しい生活で生体リズムを整えるということが非常に大切になってきます。

また今後超高齢化社会を迎え、認知症やアルツハイマーの患者の増加も危惧されていますが、生体リズムを整えるとアルツハイマーになりにくく物忘れも進みにくい事が分かってきています。

現在では生体リズムを整えるのにスマートフォンの活用も考えられており、食事時間などを記録すると生体リズムとのズレを教えてくれたり、就寝時間や起床時間のアドバイスをスマートフォンが教えてくれるというアプリの開発も行われています。

健康は規則正しい生活から!

生体リズムを客観的にチェックして、病気にかかりにくく健康な体を手に入れましょう。
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