ワクチンの効果をどう測るか

ワクチンの効果をどう測るか

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子どものB型肝炎ワクチンについて



妊娠後期のお母さんの血液検査をして、B型肝炎ウイルスが発見された時には、赤ちゃんがうまれたらB型肝炎ワクチンとガンマグログリンを早く接種して感染を防ぐことは以前から行われており、これによって母子感染の数は大きく減少し肝炎ウイルスを持っている子供の数も減ってきました。


しかし父親や祖父母にB型肝炎ウイルスがある場合やまれにいつの間にか感染してしまう子供もおり、子供の肝炎ウイルスを減らすために一部の例外を除き、麻疹や風疹のワクチン接種と同じように公費で肝炎ワクチン接種がおこなわれるようになっています。


一般的に予防接種は
  • インフルエンザ
  • はしか
  • ジフテリア
など、今感染するのを防ぐ目的で行われます。


対してB型肝炎ウイルスが原因で肝臓が病気になるかもしれないのは20年後や30年後と長いのですが、肝炎ウイルスを持ったままだと
  • 肝硬変
  • 慢性肝炎
  • 肝臓がん
の発症リスクがあり、肝炎ワクチンの接種によってこれら、肝炎ウイルスが原因の病気をほとんど無くすことができると考えられています。



近年のワクチン接種の傾向



ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)という細菌の感染によって起こる髄膜炎は年間1000人程度が発症しており、感染者の1/3は重症化して命を落とすことがあります。


これを予防するために
ヒブワクチン
の接種が全ての子供に行われていますが、子ども全体の数から患者数をみると、とても割合が低くヒブワクチン接種が必要かどうかという考え方もありますが、たとえ数が少なくてもワクチンを接種することによって、感染で命を落とす子どもを0にすることも可能になります。


以前は大勢の人がかかる病気に対してワクチン接種が行われてきましたが、最近ではたとえ数が少なくても感染リスクを避けるという方向に変わってきています。


このようなワクチン接種を行うと、ヒブによる髄膜炎はほとんどなくなり救急搬送される細菌性髄膜炎の子供もほぼいなくなった結果、病院では他の病気の子供を診る時間が確保され、ワクチン接種による社会的な意義は大きいといえます。
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