限られた社会資源をどう活かすのか

限られた社会資源をどう活かすのか

スポンサードリンク

熊本地震で問われた医療



災害が起こった後の避難生活では、病気や感染症が非常に起こりやすくなり、もし病人が出て感染症の疑いがある場合には、いち早く病原体を特定することが感染の拡大を防ぐ決め手になります。


おなかが痛いという症状があった場合の感染症として
  • ノロウイルス
  • 赤痢
  • コレラ
などが考えられ、それらは
衛生研究所
で検査が行われ5日程度で結果が出てきます。


被災地では、衛生的な飲み水の確保に注力しなければならないこともあり、病気の検査などは後回しになることもあります。


熊本では多くの水道水が地下水を利用していたことによって、地震で地下水脈が変わったことによる安全性の確保と食中毒などの発生が懸念されていました。


このような中では人々の健康を守りつつ感染症を予防してゆく課題にバランスよく取り組む必要があります。



東日本での経験



病原体の検査には、検査機器の特性を熟知していないとスムーズに検査は行えませんが、大規模災害が起こった地域では検査機関も被災しており、応援の医師が被災地に入って使い慣れない機器を使って検査を行わなければなりません。


被災地における感染症の可能性のある病原体の特定は時間との闘いになることから、短時間で検査ができる検査キットが東日本大震災の経験を元に開発されていました。


この検査法では、コレラや腸管出血性大腸菌など14種類の病原体を2時間程度で簡易的に検査できることから迅速な対応が可能になりました。



限られた医療を維持するには



ワクチン接種による病気の予防で病気になる人を減らす事につながっています。


新型インフルエンザが流行した時には、軽症の人まで病院に押し寄せ本当に治療の必要がある人が見つけにくい事態になりました。


医療資源には限りがありますので軽症な場合には、まずはかかりつけ医に相談するなどの対応が社会全体の医療資源を守ることにつながります。
スポンサードリンク

05 限られた社会資源をどう活かすのか関連エントリー

01 ジカ熱を考える
日本におけるジカ熱の感染リスクや発症リスク、さらにもっと注意したい病気について
02 ワクチンの効果をどう測るか
非常に患者数の少ない病気に対して行われるワクチン接種の意味とは
03 戦争と感染症
戦争や紛争における感染症の治療について
04 公衆衛生と感染症
日本人の衛生意識が思わぬところで発揮された例と、過度な衛生意識が危険な場合について