耐性菌を生みだすもの

耐性菌を生みだすもの

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耐性菌とは



ウイルスや細菌に対する治療薬を使うと細菌の方も治療薬に負けない様に進化して【耐性】を持つようになり、それが【耐性菌】となり本来なら効果のある薬が効かない様になってしまいます。


ウイルスや細菌は細胞分裂のサイクルが早く、よく効く新薬が登場しても、それを使い過ぎた結果、突然変異で生き残ってしまう物があり、これが耐性菌が出来る背景になっています。





インフルエンザでも薬が効かない!?



日本においてインフルエンザ治療では『タミフル』や『リレンザ』などの治療薬が使われて、それに対する【耐性インフルエンザウイルス】が出てきています。


さらに、タミフルリレンザをあまり使わない国でも耐性インフルエンザウイルスが突然発生することもあり、薬の使いすぎには注意をしなければなりません。


インフルエンザは世界中に広がってしまう感染症ですので、もし耐性を持ったインフルエンザウイルスが広がってしまうとパンデミックになってしまいます。



家畜や養殖でも耐性菌



感染症に対する予防は人間ばかりでなく、畜産や養殖の現場でも薬は使われています。


ここでも、薬の使いすぎによって耐性菌が生まれ薬が効かないという問題があり、さらに耐性菌を持ったまま発病せず、食肉となって人間の体内に食べられてから発病するということさえあり、耐性菌は食物連鎖に組み込まれる厄介な問題になっています。


食品を安く!大量に!ばかりに目が行すぎてしまうと、思わぬところでしっぺ返しを食らうことになるのです。



特効薬など無い!?



ペニシリンが登場した時には『特効薬』として病気を退治できました。


しかしペニシリンが効かない細菌が生まれると、ペニシリンが効かない菌に効果のある薬が開発されるという【イタチごっこ】を繰り返し現在に至っています。


病院内では、抗生物質の効かない耐性菌を予防する観点から担当する医師らがチームを組んで、薬の使いすぎによる耐性ができないような治療が行われています。



薬の使い回しは危険?



病気になったら「とりあえず抗生剤」を処方されたり、患者側も「とりあえず抗生剤をください」と安易に使う事がままありますが、耐性菌の事を考慮して使うようにしなければなりません。


病状が回復したら薬は飲まずに置いておき、同じ症状が出た時にその薬を飲んで自己治療する人もいます。


しかし、処方された薬は病原菌やウイルスを完全に撃退できるような量が処方されていますので、中途半端に飲むのをやめてしまえば、退治できなかった少しの細菌やウイルスが治療薬に対する耐性を持ってしまうこともあります。


病院で処方された薬は、きちんと飲みきっておくことが耐性菌を作らないためにも大切なことなのです。
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