大動脈の病気について

大動脈の病気について

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背中、腰に激痛!



血管の病気で腰に痛みが出る病気には
大動脈乖離(だいどうみゃくかいり)
があります。


大動脈は心臓からの血液を運ぶ大元の太い血管で、おへそのあたりで二股にわかれて両足へ行く他に途中で様々な臓器へ血液が流れるように枝分かれしています。


大動脈は・外膜・中膜・内膜の3層構造になっており、大動脈乖離は血管の内膜が裂け、そこから血液が流れ込んで、どんどん裂け目が広がってしまう病気です。


血管には神経が多くあり、大動脈乖離が発症すると、背中から腰のあたりの血管に沿ってとんでもない痛みが走り
「わーーー」と叫び
倒れて動けなくなる病歴も多くあります。


しかし血管が裂けるのが止まってしまうと痛みが引いてしまい
さっきは痛かったのに今は痛くない
という患者さんの診断は難しくなってきます。



放置すると大変な事に



大動脈から枝分かれした血管は様々な臓器に血液を送りますが、大動脈乖離によってどこかの血管がふさがってしまうことがあり
  • 腸の血管の詰まりで腸が腐り、激しい腹痛
  • 頭に行く血管が詰まると痛みを伴う脳梗塞で急激な半身不随
  • 心不全
  • 腎不全
  • 急に足が動かなくなる
など命に係わる事も多々あります。


診断と治療



大動脈乖離の診断は
造影剤を使ったCT撮影
で画像診断を行えば病変を特定できます。


大動脈乖離は乖離が起こる場所によって治療法は異なり
  • 心臓からすぐの血管ではほとんどが手術
  • 腰のあたりなら血圧を下げ安静にする
  • 痛みが取れない時は手術
などがあり、治療すればよくなりますが血管が弱くなる病気があると再発することもありますので
  • 血圧のコントロール
  • 食事制限
など日常生活の管理がとても大切になってきます。



血管のコブ




大動脈乖離の他に大動脈にコブができる
腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)
があり、このコブが破裂した
切迫破裂
という病気があります。


大動脈のコブは動脈硬化が長い年月をかけて徐々に膨れ上がったもので患者のほとんどが
喫煙の高齢男性
で、少数ですが女性でもこの病気になり、一度なってしまうと血管が弱く破れやすい傾向にあります。


血管にコブがある時には
少しお腹が張る
程度の自覚症状しかありませんが、コブの大きさは5センチ以上になると破れる可能性が出てきて一度出血すると
  • 強い腰の鈍痛
  • 脇腹が痛い
  • 下腹部の鈍痛
などを感じ、トイレで「いきんだ」時に腰が痛くなった時にはコブが破れかかったサインとなります。


またコブが破れて骨盤の中に出血すると直腸が刺激され
強い便意
が出てくる場合もあります。


この病気では
尿管結石
と誤診されることも多いのが特徴です。



診断と治療



腹部大動脈瘤は大きなコブですので手で触って診断するように教科書にはかかれていますが、たとえ直径5センチのコブでも1/4は触れず、超音波を使った画像診断を用い、コブが破れているかどうかの判断は造影CTで行います。


大動脈瘤の治療はコブの場所によっても異なりますが
  • 血圧を下げる
  • 人工血管に入れ替え
  • 血管の中からステントを使った治療
などを行います。
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