認知症と軽度認知機能障害について

認知症と軽度認知機能障害について

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こんなに多い認知症患者!



厚生労働省の調査によると、平成22年時点で65歳以上の

認知症患者数は433万人

軽度認知機能障害数は380万人

と推定され、65歳以上の高齢者で

7人に1人が認知症
4人に1人が認知症または軽度認知機能障害
という驚くべき数字になっています。


認知症は何らかの原因によって脳の働きが悪くなることで・記憶力・判断力に障害が起こり

※日常生活に支障が6ヶ月以上いていること

がその診断基準となります。


脳は人間の活動すべてを制御していますので、認知症になると・記憶力・判断力の他にも・歩行障害なども起こってきます。



一口に認知症と言っても・・・



認知症の主な疾患には、記憶障害が主な症状で認知症全体の半分以上を占める

【アルツハイマー型認知症】

があります。


他には、脳梗塞や脳出血などで麻痺を合併する

【血管性認知症】


パーキンソン病に似た症状と、まぼろしが見える(幻視)

【レビー小体型認知症】


物を盗ムなどの問題行動が初期の段階から出る

【前頭側頭型認知症】


などがあり、その原因や症状もいろいろあります。



軽度認知機能障害とは




軽度認知機能障害は、記憶力や判断力など正常では無いにせよ認知症とまでは言えないというレベルにある状態で、記憶力には問題があっても日常生活は問題なく送ることができます。


軽度認知機能障害では

【健忘型】 - 記憶障害

【非健忘型】 - 失語や失行など

があり、この状態から認知症に移行する人と、移行しない人があります。



こんな症状があります



認知症では

【中核症状】 - 脳の障害そのものが引き起こす

【周辺症状】 - 体の状況や介護者の関わり方など環境の変化で起こる

があります。


アルツハイマー型認知症の中核症状では記憶障害が見られ

・水道の締め忘れやガスの消し忘れ

・時間や場所の感覚があやしい

などが目立つようになってきます。


朝ごはんや昼ごはんに何を食べたのか?を忘れてしまうのは正常な物忘れの範囲なのですが、食べたこと自体忘れてしまうのが【記憶障害】です。


【記憶障害】になると会話の中でも、人や物の名前が出てこない事が増えたり言葉に「あれ」「これ」が増えてくるようになります。


周辺症状では

・財布やお金を盗まれたと思い込む【物盗られ妄想】

・些細なことで怒ったり大声を上げる【暴言】

・身の回りの世話を嫌がる【介護拒否】

などがあります。



診断の基準



認知症や軽度認知機能障害の診断では、他の病気と同じように患者さんや家族からお話を聞き、家族が同席する場合と個別に問診を行う場合があります。


次に血液検査や脳梗塞や脳の萎縮を見る

・頭部CT・頭部MRI、脳の血流を見るSPECT(スペクト)検査

を行います。


認知機能の検査として・・・

計算や図形の判断などを行う

ミニメンタルステート検査(Mini Mental State Examination(MMSE)


「さくら」「ねこ」「電車」などの言葉を覚える

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)


などの検査を行い、その結果から認知症または軽度認知機能障害の診断をつけます。


認知症かな?と思ったら



記憶力や行動がおかしいと思ったらすぐに専門医にみてもらうようにします。


認知症は早ければ早いほど、薬や栄養、リハビリなどの対策で進行を遅らせる事ができますし、甲状腺機能低下症や慢性硬膜下血腫などが原因の場合にはその病気を治療すれば認知症が治る事もあるのです。


他にも薬の副作用で認知症を発症することがあり、使う薬を変える事で認知症も治す事ができます。


いずれにせよ、認知症の治療には認知症専門医や物忘れ外来の受診をすることから治療が始まります。


認知症は当人では自覚できない事もあり、家族が進めても病院に行きたがらない事もあります。

そのような時には『地域包括支援センター』や『認知症の人と家族の会』『かかりつけ医』などに相談することで解決法を見つける事ができます。

⇒『認知症の人と家族の会』

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