認知症の栄養療法

認知症の栄養療法

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認知症になると痩せる!?



認知症になると

・飲み込み機能の低下

・食べ物が食べ物だと認知できなくなる

・スプーンや箸の使い方がわからなくなる

などの理由で食事が十分に食べられなくなり、その結果栄養不足になる事から多くの人が痩せてきます。


また認知症のうち【血管性認知症】【レビー小体型認知症】が痩せやすいと言われています。



認知症患者の体重を増やすには



認知症による栄養不足で痩せてきた時には『高カロリーの栄養剤』を摂る事や介護者が飲み込みやすく、高カロリーな食事を提供するなどの工夫で体重を増やす事が可能です。

 

ただし体重を戻しても認知症が改善するかどうか?はわかりません。


なかなか食事を食べてくれない認知症患者さんに対して食事を食べてもらうには苦労が多く

「なぜ食べたがらないのか?」

患者さん本人の気持ちや目線で考える事が大切ですし、注目するポイントとして

・「食べる」という動作が始められるかどうか

・「食べ続ける」事ができるかどうか

を見ます。



食べない人の原因と対策



「食べる」という行為ができない原因には

・目の前の食べ物を食べ物と認識できない

・品数が多すぎてどれから食べたらよいかわからない

・食事の時間だと判断できていない

・スプーンや箸などの使い方がわからない

などが考えられます。


このような時の対処法として

・黒い器にご飯を入れると、白いご飯が目立って認知しやすい

・香りの強い食べ物は、その香りで食べ物と認知し易い

・ひと品づつ食事を出す(目の前にある食べ物に集中しやすい)

・おにぎりやサンドイッチなど、スプーンや箸を使わなくても食べられる物にする

などの工夫をしてみましょう。


「食べ続ける」事ができない時の原因として

・食事の好みが合わない

・食事に集中できない

・飲み込みにくい食事である

・尿意や便意を感じ食事どころでは無い状態にある

・生活リズムの乱れから、睡眠不足や疲れている状態にある

などがあげられます。


このような時の対処法として

・本人の好みの食事を提供する

・テレビを消して食事に集中できる環境にする

・ゼリーやペースト状にして飲み込みやすくする

・食事前にトイレに行く

・生活リズムを整える

などに取り組んでみましょう。




嚥下障害の人への対策



うまく飲み込めない【嚥下障害】が重度になると口から食事を摂ることができないことから

・飲み込みができない事に対する治療法があるか?

・認知症の程度

・家族の意向

・本人の生活の質

などを考慮して、鼻からチューブを入れる『経管栄養』や、胃に小さな穴を開け栄養を補給する『胃ろう」という難しい選択に迫られる場合もあります。



ビタミンが欠乏することで認知症になる?



ビタミンB1が欠乏することで起こる【ウェルニッケ脳症】による認知症などの場合にはビタミンを大量に補給することで認知症が改善することがあります。



注意したいのは、ビタミンが欠乏していないのにビタミン剤などのサプリメントで補給しても認知機能の予防や改善は期待できません。



認知症予防にはこれ!



これをすれば!これを飲めば!認知症を予防できる!認知症にならない!

という物は現在ありませんが・脳を使う・運動・栄養・外出など総合的な取り組みが認知症予防には効果的であるというのは間違いのない事実です。


また認知症や軽度認知機能障害は早期発見、早期治療が何よりも大切で

・薬物療法

・認知症ケア

・頭と体のリハビリ

・栄養療法

などの組み合わせで、ある程度認知症の進行を遅らせる事ができますし、栄養とリハビリは予防にも役立ちますので、ぜひ日頃から取り組んでいただきたいと思います。
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05 認知症の栄養療法関連エントリー

01 認知症と軽度認知機能障害について
日本にはどれくらいの認知症患者がいるか?知ってますか?認知症と言っても原因は様々で治療すれば治るタイプの認知症もあります。
02 認知症を予防するトレーニング
認知症になりやすい人、なりにくい人の特徴は?あなたは認知症になりやすいタイプでしょうか?
03 認知症を予防する栄養
認知症になりやすいのは太り過ぎの人でしょうか?それとも痩せ過ぎの人でしょうか?栄養の観点から認知症のなりやすさを知ることで、認知症になるリスクを下げる事ができます!
04 認知症の進行を遅らせるリハビリ!
認知症にはなりたくないものですが、もし認知症を発症してもある取り組みをすることで進行を遅らせる事が可能になってきています。