災害時の血圧上昇と治療

災害時の血圧上昇と治療

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災害時に上がる血圧



災害発生時には個人差はありますが必ず血圧は上昇することがわかっています。

これは大昔のギリシャの地震の時から言われていた事ですが、阪神淡路大震災の時からに、地震発生当時淡路島に居た大学教授の詳しいデータにより科学的にも明らかになってきました。

地震発生時には危機への生理的反応から血圧は自然に上昇しますが、震災後2週間程度にわたり、ほとんどの人の血圧は上がりっぱなしになってしまいます。

血圧上昇は、医師や看護士など白衣を着た人が測ると、上が20程度、下が10程度上昇すると言われ、緊張により本当の血圧よりは高めに出てしまうようになります。

災害時に本当の血圧を知りたい場合には、自分で測れる血圧計を使う様にすれば、災害時の血圧管理に役立ちます。

災害時に家庭で血圧を測った場合には、上が10程度、下が5程度上昇すると言われています。

アメリカの9.11テロにおける被災地での血圧上昇は上が30も上がったと言われています。

24時間血圧計をつけている人の記録で、中国の四川大地震があったときの場合には、地震発生2時間後に、上が25下が15ほど上昇したことが記録されています。



下の血圧が上がると



高血圧の治療には、上の血圧を対象にします。

私たちは緊張状態になると、上の血圧が上昇すると共に、下の血圧も上昇してしまいます。

下の血圧が上昇してしまうと、夜の血圧も下がらない様になり、夜間高血圧になってしまいます。



血圧が上がりやすい人



血圧が上がりやすい人として高齢者があげられますが、他にもオーバーワークなどで過労状態にあると血圧が上がりやすくなってしまいます。

さらに震災など、緊張状態がしばらく続く環境では、たとえ余震が小さくても血圧は上がってしまいます。

災害地で活動するボランティアも、置かれている環境はおなじですので、血圧には注意しなければなりません。



血圧対策



大地震後には、一ヶ月程度で血圧は落ち着いてきます。

また、地震直後の血圧測定においては、医療関係者による白衣効果、地震による緊張効果がはたらき実際よりも高めに血圧が出てしまいます。

このようなことから、避難生活においては、血圧の薬を飲み過ぎない事が大切です。

地震など災害をきっかけに高血圧が持続してしまう場合があり、そのような人は隠れ腎臓病と呼ばれる【慢性腎臓病】が発症している場合もありますので、検査してもらう必要があります。

血圧治療の基本は、日常生活の見直しです。

特に、避難生活をきっかけにアルコールの量が増えるようになると、血圧にも良くありませんので、避ける様にしなければなりません。

また禁煙も血圧を下げるためには必須条件ですし、適度な運動を心がける事も血圧ばかりでなく健康全般に渡って大切なことです。

なれない避難生活で不眠になりやすい事もありますが、不眠になると血圧ばかりでなく糖尿病やコレステロールが上がるなど様々な悪影響があります。

食事も健康と血圧を守る上で大切です。塩分の高いインスタント食品からなるべく早く健康的な食事を摂ることも大切です。
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