災害時の高齢者医療

災害時の高齢者医療

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高齢者の抱える病気



高齢者は重篤な病気でも若い人に比べて出てくる症状が違い、病気を見落とす可能性も高くなってきます。

日本老年医学会は今回の震災を受け2011年3月18日に『災害時高齢者医療マニュアル』を作成して被災地に配布しました。

『災害時高齢者医療マニュアル』に載っているのは、高齢者の様々な病気について、狭心症や心筋梗塞、高血圧や脳卒中をはじめ、感染症や脱水症、糖尿病や認知症など、被災した場合の具体的な病気の対応について書かれています。

また震災後の被災地において、どのような病気が高齢者に発症しやすいか、ということもまとめて掲載しています。



被災生活で多い病気



避難生活において高齢者が多く発症する病気として、震災後10日あたりから下痢を伴う感染症が多くなります。

これはノロウイルスが原因で、感染すると治療法が無く、下痢や嘔吐などは直接手で触れてはいけません。

避難所では、いつも以上に手洗いやうがいを励行して、感染症の予防に努めなければなりません。

また、咳をしている人にはマスクをしてもらい、別室などで感染を防ぐ対策や、インフルエンザでも同様の対策が必要になってきます。

また、現在でも結核が多く,
耐性を持った結核菌も出てきていますので、感染しやすい環境の避難所では十分な対策を取らなければなりません。



認知症の進行



高齢になれば歳相応の物忘れがありますが、アルツハイマーの初期程度の人が被災すると、眠れない、疲れが取れない、幻覚や幻聴などの【周辺症状】が出やすくなります。

また、避難所暮らしで運動量が少なくなり身体機能が著しく低下してしまいます。



高血圧の予防と対策



高齢者の場合、高血圧が見つけにくい場合と強く出る場合があります。

普段から水分をあまり取らない人や偏食の激しい人は高血圧になりやすくなります。

避難所生活において、普段より高血圧になりやすい環境では血圧値は高くなりやすく、そのような状況で血圧の薬を飲むと薬が効き過ぎ、低血圧になってしまいます。

高齢者の場合には上の血圧は150を目安に治療を行うようガイドラインでは推奨されています。



今後求められること



長期入院している人や在宅でケアを受けている高齢者など、行政や医療など包括的に情報を共有し、被災した時の対応策をマニュアル化しておく事が今後求められることです。
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