クラッシュシンドロームと治療法

クラッシュシンドロームと治療法

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災害直後の最も心配されるコト



震災などの災害直後に最も多いのは外傷で、次に多いのがクラッシュシンドロームになります。

クラッシュシンドロームはしばしば死亡につながるような思い病気なので正しい知識を持っている事が命の分かれ目になることもあります。



クラッシュシンドロームのメカニズム



家が倒壊したり家具が倒れてきたりして重たい物の下敷きになり、手足などが長時間圧迫され続けると、その部分の血流が滞り酸素不足になってしまいます。

そして、救助されて圧迫されていた場所の血流が回復すると、血管内皮より様々な物質が放出され、それが白血球を刺激し白血球からも様々な物質が分泌されるという悪循環に陥り、正常な筋肉細胞も壊されてゆきます。

救助された後に圧迫されていた場所が腫れてきたら、クラッシュシンドロームを疑います。

クラッシュシンドロームでは救助直後に意識もはっきりしていて呼吸も血圧も脈拍も正常という場合が多く、骨折や切り傷などが見られない場合も多くあります。

しかし、圧迫されていた部位の【腫れ】がしばしば見られ、しびれを感じたり動かしにくいと感じたりする事もあります。

クラッシュシンドロームでは脱水状態になっていますので、尿が非常に少なくなったり、全く出なくなり、赤い血の色の尿が出てきます。

圧迫された部位の筋肉細胞は破壊され、老廃物が大量に体内で発生します。

その有毒な老廃物の処理は腎臓が行うわけですが、通常では考えられないような量ですので腎臓では処理しきれない様になってきます。



血中カリウムの上昇



クラッシュシンドローム後に体内で発生した老廃物の処理が追いつかないと腎臓は弱り血中にはカリウムが増加してきます。

カリウムが増えると命に関わるような不整脈が起こって危険な状態になりますので、できるだけ早い治療が必要になります。

クラッシュシンドロームが進行すると、急性腎不全になり人工透析が必要になってきます。



クラッシュシンドロームの治療



クラッシュシンドロームは、長時間の圧迫があり、救出された後にその部位が腫れていることを注意しなければならず、もし何もしないまま6時間以上経つとクラッシュシンドロームになってしまいます。

救助後にはすぐに点滴による治療が必要で、成人の場合一日10リットルもの輸液が必要になります。

早期の点滴治療により、一時間に200〜300ccの尿が出れば治療は上手く行ったと言えます。



被災地の問題点



大震災直後には、多くの被災者に治療が必要になりますが、電気、水道などライフラインが断たれてしまいます。

そのような中では、被災地周辺の医療機関が連携して医療の供給体制が確立されている事が必要です。
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