災害時の心臓病について

災害時の心臓病について

スポンサードリンク

災害時に増える心臓病



災害時には心筋梗塞が増えることが報告されています。

多く見られるのは急性心筋梗塞で、災害の規模が大きいほど発生頻度は高くなっています。

また、災害直後だけでなくその後の3ヶ月程度は心筋梗塞の発症が多く報告されていますので、災害時には心筋梗塞が多くなるという認識をもっておくことが必要です。



なぜ心筋梗塞が増える



地震が起こると血圧が上昇して脈拍も上がります。

そうすると心臓が必要とする酸素量も増えるのですが、地震でびっくりしているときには心臓に行く血液は減り、さらに血が固まりやすく、塊が溶けにくくなります。

また災害直後には緊張状態と、なれない避難生活により多くのストレスが継続的に続きます。

他にも睡眠不足や栄養の偏りなどで生活リズムが乱れると、コレステロールも高くなり血糖値も上がってきます。

このような状況下では、必然的に心筋梗塞や脳卒中がおこりやすくなるのです。



心筋梗塞になりやすいスコア



阪神大震災の時に心筋梗塞になりやすい傾向が調査されていて、この中で4つ以上当てはまる人は心筋梗塞のリスクが高まります。

・年齢が75歳以上
・災害で死亡したり入院したりした家族がいる
・家屋が全壊した
・地域が崩壊した
・高血圧がある
・糖尿病がある
・心臓病がある

多くの人が当てはまる事になり、震災直後や、その後の3ヶ月間は十分に注意が必要です。



心筋梗塞を予防する方法



災害時に心筋梗塞になりやすい項目に対して、心筋梗塞を予防する8カ条も報告されています。

・睡眠状態を改善する(夜には暗くして6時間以上の睡眠をとる)
・20分以上歩く
・カリウムの多い野菜、果物、海藻類を多く食べる
・体重の維持(2キロ増えたり、2キロ減ったりすると危険)
・マスクや手洗いなど衛生に気をつける
・十分な水を飲む
・常用薬を継続して飲む
・血圧を140以下に維持する(高齢者を除く)

これら予防8カ条のうち6項目以上は達成できるように努力します。
スポンサードリンク

04 災害時の心臓病について関連エントリー

01 災害直後の対応 ディーマットとは
東日本大震災でのDMAT ディーマットの活動と阪神大震災をきっかけにディーマットが作られた経緯について
02 災害時の血圧上昇と治療
災害時には必ず血圧が上昇するという事がわかっています。その原因と対策を知り、災害時でも健康を守る方法を知っておきます。
03 クラッシュシンドロームと治療法
大震災直後には、建物や家具に挟まれることが最も心配されます。非常に大きな力で圧迫されるとクラッシュシンドロームが生命の危険を及ぼします。
05 災害時の高齢者医療
被災した後の高齢者医療について考えます