高齢者に多い低栄養状態

高齢者に多い低栄養状態

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口腔障害は増えている?



口や喉など「口腔」の主な機能に・食べること・話すことがあり、病気や障害などが原因でそれらの機能がうまくいかない時にはリハビリを行い機能回復を目指します。

日本歯科大学口腔(くう)リハビリテーション多摩クリニックでは連日、子供からお年寄りまで、食べることや話すことに不安を抱えている患者さんが多く受診しています。

【食事が摂れない】とか【飲み込みにくい】などの症状があると、例えば1回の食事に3時間もかかってしまい、その結果みるみる体重が減ってしまったという患者さんもおられます。

患者さん本人は、一生懸命食べているつもりでも、噛むことや飲み込む事に障害があるというのに気づいていない状況にあります。

口腔リハビリテーション多摩クリニックでは初診だけで一ヶ月あたり150〜160件もあり、口腔障害は非常に多くなってきているという感じを受けます。



食べるという妙技



私たちは何気なく食べたり話したりしていますが、口の中から喉にかけて様々な神経や運動器官が巧みに連携を取り、それらの機能を支えています。

「食べる」という行為ひとつとっても

噛む力の制御
舌で味を確認し食物を噛む場所に持ってゆく
細かい食物を口の中で混ぜる

など繊細な一連の動作が必要になり、加齢や病気などが原因でその機能が低下してくることがあります。

超高齢化社会と言われる日本ですが、65歳以上の高齢者は約3000万人でその内の500万人が要介護状態であると言われています。

この要介護状態の500万人のうち18%の100万人の人が食べることの障害を持っていると考えられます。



食べられないとこうなる!



食べることに障害があると【低栄養(栄養障害)】が一番大きな問題になってきます。

在宅で要介護状態にある716名を対象にした調査では、7割の人が【低栄養状態】や【低栄養のおそれがある】という結果になりました。

健康な人が注意すべき生活習慣には【メタボ】があり肥満のリスクに注意をむける必要があるのですが、高齢者はむしろ逆で、しっかりと食べることで栄養障害を防いでいただきたいと思います。



栄養不足になるとこうなる!



低栄養にならないためには『タンパク質』をしっかり摂る事が大切で、タンパク質は免疫グロブリンと呼ばれる免疫物質を作る元にもなり、抵抗力をつける上でも重要なのです。

高齢者はインフルエンザやノロウイルスなどの感染症に注意が必要と言われますが、その背景にはタンパク質不足による免疫グロブリン量の低下があります。

また筋肉にもタンパク質は多く含まれており、タンパク質不足になると筋肉の中のタンパク質が消費されてゆき、どんどん筋肉が痩せてゆきます。

筋肉の衰えは、運動機能の衰えに直結し足腰が立たなくなる様にもなりますし、口や喉の筋力の衰えは、食べること、話すことが上手く出来ないようにもなってきます。
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