うつ病の治療薬

うつ病の治療薬

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治療薬の昔と今



うつ状態に効果のある薬は『抗うつ薬』と呼ばれ多くの種類がありますが、大きく分けて従来からある薬と、最近出てきた『新規抗うつ薬』に分けられます。

従来からある三環系抗うつ薬は副作用もあり、使用が難しいのですが現在でもうつ病の難治療に使われています。

新規抗うつ薬は1990年以降に開発された『SSRI、SNRI』と呼ばれるもので、従来の治療薬に比べて重大な、副作用が少ないのが特徴です。

現在では、治療薬の第一選択として『SSRI、SNRI』が推奨されています。



治療期間



一般的に抗うつ薬の効き目が現れるには2週間以上が必要とされます。

標準的な治療においては、一種類の抗うつ薬を十分な量服用して2〜4週間様子を見ます。

もし効果が現れない場合には、他の薬に変えて治療を継続します。

しかし、場合によっては迅速な治療も必要になり、他の薬を併用したり薬の量を増やしたりしますのでケースバイケースと言えます。

治療に際しては、薬の効果と副作用を患者さんやご家族に十分説明しておくことが必要になります。



薬が効かない



治療薬を飲んでもなかなか良くならない場合には

・薬の量が不十分
・飲み方が不規則

などが原因になっていることは多々あります。



薬が効いたら



十分な量の薬をきちんと飲んで2週間から4週間経過した後、症状の改善が見られたら、次の段階として薬を減らしてゆきます。

薬を減らす見極めや量などは、時間をかけて慎重に行わなければなりません。



抗うつ薬の効果



今までの研究では、抗うつ薬の効果は60〜75%という結果が出ています。

これは残りの人には効果が無いということで、ある薬で効果が出ない時には種類の違う薬で治療が必要になるということです。

複数の抗うつ薬を使用した場合の効果については、最終的に90%以上に効果があるとされています。

また、抗うつ薬に合わせて、抗不安薬や睡眠薬を併用することも良く行われています。



服用の注意点と副作用



抗うつ薬は比較的安全な薬なのですが、様々な副作用が見られます。

従来の三環系抗うつ薬では

・不整脈
・起立性低血圧
・口が渇く
・便秘

などが多く見られ、高齢者には投薬が難しい薬でした。

副作用の少ない新規抗うつ薬でも

・吐き気
・下痢
・性機能不全

などが報告されています。

欧米では2000年代はじめに、新規抗うつ薬で青少年の自殺が増えることが見られたため、当局では慎重な扱いを求めていましたが、その後の研究では新規抗うつ薬は自殺防止に有効であることが報告されています。

現在新規抗うつ薬は一般的な注意事項に変更されていて、青少年の投与には慎重な観察をすることが指示されています。

このようなことで、抗うつ薬を飲むのが怖いという事もありますが、抗うつ薬はかなりの割合でうつ病に効果があり、再発予防にも効果が認められています。

たとえ少量の抗うつ薬でも効果が確認されていますので、根拠のないナチュラル志向は健康にとってリスクが高いとも言えます。

どんな薬にも言えますが、適切なタイミングで適切な量を使うことによって効果が現れます。

間違った使い方をすると、症状が慢性化したり薬が効かない事にもなってしまいます。
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